東電が福島第1「波高計」調査結果を報告(全文1)実際は200メートル程度陸側だった
調査した内容の詳細を説明
続きましてそれぞれの調査した内容について詳しくご説明をさせていただきます。4ページをご覧ください。こちらのページでは波高計を設置していた可能性のある箇所としては5カ所を資料調査で推定しましたが、その調査結果と現地調査の結果を合わせた表になっております。表の縦軸にはそれぞれ推定した波高計の設置箇所に便宜上番号を打っております。マル1からからマル4ということでございます。横軸には資料調査で確認されたそれぞれの波高計の設置箇所に関する概要と、資料調査の結果と、現地調査で確認された結果をまとめてございます。 まずマル1の波高計ですが、これが震災以降これまで提供させていただいた温排水報告書に引用されていた波高計設置位置図に記載されていた箇所で、次の5ページの図面のとおり、マル1の箇所にプロットした図面をご提供させていただいておりました。この図面を基に津波到達時刻の評価に使われてきたということでございます。ご覧のとおりマル1の設置箇所は沖合から1.5キロメートルの箇所に設置されているということが読めます。すいません、4ページに戻りまして、一方で現地調査ではのちほど詳しく説明させていただきますけども、音波による調査と実際に潜っての調査ともその痕跡は確認されませんでした。 続いてマル1の1についてです。こちらは波高計を設置するに当たって、1978年に作成された設計計画書である社内稟議書と、その際に福島県知事に提出した、公共用財産使用許可申請書から確認できました。こちらは波高計の設置については座標で示されておりましたが、設置架台等の図面は確認できませんでした。一方、現地調査ではマル1と同様、音波による調査でも、実際に潜っての調査でもその痕跡は確認できませんでした。
日本測地系で示されていた
続いてマル2についてです。こちらは1981年に波高計のケーブル修理のために作成された稟議書と、2001年に、次にご紹介するマル3の箇所へ波高計を移設するために作成された公共用財産使用許可申請書により確認できました。こちらでは移設前後の座標と、それぞれの架台の図面が添付されているのが確認できました。一方、現地調査なんですけども、音波による調査では構造物らしきものが確認されたということと、また実際に潜った調査でもここにある構造物がのちほど紹介しますけども、6ページに示しておりますが、2001年の移設前の波高計の架台であるということが確認できました。 続いてマル3の設置箇所に関する資料ですけども、こちらはマル2でのご説明のとおり、公共用財産使用許可申請書以外にもメンテナンスのために作成した維持管理報告書でも確認できました。一方現地調査ではマル2と同様、音波による調査では構造物らしきものが確認されたこと、また実際に潜っても、2001年に移設後の波高計の架台であるということが座標上と図面を確認できたということでございます。 以上、これまでの結果から、確認した報告書のうち、最新のものがご覧の2010年の社内維持管理報告書ということなんですけども、その翌年の2011年の震災当時は、このマル3の箇所に波高計が実際に設置されていたということが判明しました。 続いてマル4なんですけども、マル4の設置箇所についてですが、これは先にご紹介した新潟県の委員会において、当社が鈴木委員に提出していた設置箇所でございます。この設置箇所を提出した理由なんですけども、設置箇所の提出をするに先だって、維持管理会社からマル1の座標として聞き取った箇所が実はマル2の箇所に関する座標であったということが今回の調査で分かりました。その座標が表に示しましたとおり、マル2のところを見ていただきたいんですけれども、日本測地系で示されていたというものでございます。