犯罪を繰り返した58歳の知的障害者が「ぼく、やっぱり戻りたい」と語る支援施設 近隣は反対、行政は圧力…それでも受け入れ続けた
「再犯はもうない」と言い切れないが、Yさんが周囲と折り合って過ごす様子を見守りながら、支援者らは「今度こそは」と自信を深めている。 考える会は2023年11月末に解散の日を迎えた。集会に姿を現したYさんは見守ってきた人たちから花束をもらい、祝福を受けた。そして用意した紙に視線を落とし、「今、ぼくは落ちついて生活しています。ぼくは精神不安定で事件を起こしましたが、深く反省しています。今後二度と過ちをおかさず落ち着いて生活を送りますので、どうか皆さん見守ってください」とたどたどしく語った。 どんなことがあっても支援を諦めなかったゆうとおん。その実践を支え続けた考える会。そして何よりも仲間の信頼と期待に応えたYさん。ゆうとおんに来て山あり谷ありの四半世紀だった。何が起きるか分からない―。そのような“不確実な状況”をYさんを含め関係者らはずっと耐えてきた。「終わりよければ、それもよし」。解散した今、会のメンバーらが気に入っているフレーズだ。
▽支援の経緯をまとめた冊子 考える会を立ち上げた狙いの一つが、Yさんと同様に、触法や“支援困難”ケースで奮闘する人々と支援のノウハウや悩みを共有することにあった。会は解散にあたって、Yさん支援の経過を振り返った報告集(A4、91ページ)をつくった。問い合わせ・注文はゆうとおん、メールはyoutone@live.jpまで。頒布価格は送料込みで700円。支払いは報告集到着後に郵便振替で。