勝っても負けても楽しい「ゆるスポーツ」の魅力……小さくしっかりスケールするSmall But Greatsな考え方を重視した事業展開も
ゆるスポーツの今後
澤田さん「結構グローバル展開も進めているので、世界中にどんどん展開したいねって思いはあるんですけど、実は夢に縛られすぎないようにしています。 例えば、9年前に設立した時に、じゃあ9年後までに120個新しいスポーツを作るんだみたいな、KPIやKGIみたいな指標を掲げた時に、それこそ義務っぽくなっちゃうじゃないですか。 この120競技というのは、あえてそういうゴールとかを定めなかったからこそ、気づいたらここまで来ちゃったみたいな感じなんです。 だから、夢よりもコンセプトの方が大事だなと思っています。 大切にしているのが、ゆるスポーツというコンセプトなんです。つまり、誰もが楽しめる・笑いながらできる新しいスポーツジャンル。 コンセプトである、ゆるスポーツということだけを掲げてるんです。そうすると、コンセプトがユニークで強ければ、結構思わぬ展開というのを引き寄せてくれるようになったんです。 今日紹介した事例というのも、設立当初は全く想定していない物ばかりでした。ゴール設定をしていなかったからこそ、遠くに来られていると感じています」 トムさん「ゆるスポーツは海外展開も考えているんですか?」 澤田さん「ゆるスポーツは海外での実績も結構あって、ヨーロッパとかアジアとかでも結構展開しています。 今もいろんな国とフランチャイズ化できないかみたいな話を進めています。 でも、別に僕らは急いでるわけじゃないんです。僕たちとしては運営とか運用も大事にしていて、例えばさっきの『ハンぎょボール』も審判がどんなふうに場を仕切るかというのも結構重要な要素になってくるんです。 スポーツ畑でずっとやってきました!!みたいな指導者の人が入ってしまうと、ファールとかに過度に厳しくなりすぎてしまったりとかして、せっかく緩い優れたコンテンツを提供してるのに、トータルの体験価値としてはハードになっちゃうことがよくあるんです。 だから、審判のあり方とか、イベントの空気の作り方も含めて、僕らもかなり緻密に設計しています。 そういうことが体系化・言語化できる部分と、できない暗黙知の部分が結構あったりします。だからコンテンツが面白いからと言って、すぐさま輸出できるかというと、そういうものではないんですよね。 食品とか飲料よりも、もっと生っぽいと思っています。だからその辺は丁寧に、 そういう場作りや、空気作りも理解してできる力があるみたいなところに委託したいと思ってるので、今いろんな国の人たちと話してるんですけど、そこは結構慎重にやってます」