モザンビークで略奪や放火、集団脱獄で死者多数-与党当選の確定受け
(ブルームバーグ): アフリカのモザンビークで10月に行われた選挙で与党の勝利が確定したことを受け、全土で暴力が多発し、今週だけで少なくとも89人が死亡した。
10月21日に情勢が不安定になって以降の死者の数は200人を超えたことが、監視団体ディサイドプラットフォームおよび地元当局のデータで明らかになった。25日にテレビで放映された首都マプト警察署長の記者会見によれば、暴徒らは店舗から金品を略奪し、警察署に放火。最高警備の刑務所からは1500人を超える受刑者が脱走したという。ベルナルディーノ・ラファエル署長によれば、集団脱獄中に約33人が殺害された。
天然ガス資源が豊富なモザンビークでは、12月23日に憲法評議会が与党の勝利を確定させ、49年にわたる同党の支配が延長されることとなった。憲法評議会は選挙プロセスでは有意な不正はなかったと判断。これを受けて野党支持者らが怒りをぶつけ、情勢不安の引き金となった。フランスのトタルエナジーズによる200億ドル(約3兆1500億円)規模のエネルギー輸出プロジェクトは、情勢不安でさらに遅れる可能性が出てきた。最貧国に分類されるモザンビークへの投資が停滞する恐れがある。
原題:Mozambique Descends Into Chaos as Crisis Over Vote Escalates (1)(抜粋)
--取材協力:Godfrey Marawanyika.
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Matthew Hill, Borges Nhamirre