自分は発達障害かもしれない…ASD、ADHD、学習障害の違いは?
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「発達障害」です。 【図表】うつ病にならないためにやめておきたい七つのこと
Q 自分は発達障害かもしれないと思うんだ。 ヨミドック 発達障害には、アスペルガー症候群や自閉症などの総称である「自閉スペクトラム症(ASD)」や、「注意欠如・多動症(ADHD)」、限局性学習症(学習障害)などがあります。 Q どう違うの? ヨ ASDには、コミュニケーションが苦手、興味の偏りなどの特性があります。ADHDには、不注意や衝動性がみられます。学習障害は、読む、書く、計算などが極端に苦手です。この三つをあわせ持つ人もいます。
Q 私は空気を読めない発言をしちゃう。 ヨ それはASDとADHDに共通した特徴ですが、背景が違います。ASDの人は、状況を把握する力の欠如からで、ADHDの人は、状況を分かっていても衝動的に発言します。ただ、一つの言動だけで判断はできません。 Q 診断を受けるには? ヨ 発達障害を扱っている精神科や心療内科などの医療機関を探しましょう。 問診で、子どもの頃から特性があったか確認します。親からの話や通知表を参考にすることもあります。発達障害は生まれつきの脳機能障害で、大人になってから発症するものでないからです。発達障害に伴う困りごとの有無も聞き取ります。 補助的に心理検査や知能検査をすることもあります。
Q 診断後はどうなるの? ヨ ADHDには、神経伝達物質に作用する治療薬がありますが、根本的な治療薬ではありません。 ASDやADHDの人を対象にデイケアを行う医療機関があります。専門のスタッフを交え、10人程度の小集団で語り合い、特性への自己理解を深めます。また、困りごとへの対処法を共有することで、仲間で支え合う「ピアサポート」にもなります。「困っているのは自分だけじゃない」という安心感が、生きづらさの軽減につながります。 Q やっぱり診断を受けるのは、ためらいがあるな。 ヨ 診断は、自分の特性を理解し、生活の質を向上させるスタートラインです。ASDは粘り強く物事に没頭する、ADHDはリスクを恐れず挑戦する、などの特性があります。それを長所として生かせる環境を探すきっかけにもなります。 (大沢奈穂/取材協力=太田晴久・昭和大発達障害医療研究所長、桑野大輔・東京都発達障害者支援センターおとなTOSCAセンター長)