「まつ毛ダニだけじゃない!」そのニキビ、ダニのせいかも? “顔ダニ”トラブルを皮膚科専門医に聞いた
■肌がボコボコになることも…、「市販されている抗菌剤ではダニに効きません」
――ニキビダニの症状ですが、普通のニキビと何か違いがあるのですか? 「ダニは集ぞくする習性があるので、ニキビダニの場合は赤いポツポツが集まった状態になることが多いです。また、赤みや膿を伴う炎症を引き起こしている場合や、肌がボコボコになってしまっている場合は、ダニが増殖している可能性が高い。膿が酷いところをつまんで潰して、プレパラートに塗って顕微鏡で見ると、ダニがいるケースが多く見受けられます」 ――ダニを増殖させないにはどうしたらいいのでしょう? 「同じ生活をしていても、風邪をひく人もいれば、ひかない人がいるのと同じように、一概に不潔だけが原因というわけではありません。皮脂の多い人とそうではない人でなりやすさも違いますし、ストレスや生活習慣なども影響します。カテゴリーとしては、病気みたいなものなんです。基本的には毎日洗顔し、バランスの取れた食生活、十分な睡眠を取ることが重要です」 ――では、「このニキビはダニのせいかも?」と思ったら、どうケアしたらよいのでしょう? 「洗顔など、ダニの餌となる皮脂を取り除く生活を毎日続けると、だんだん減っていく可能性はあります。ただ、抗生剤や抗寄生虫薬などのお薬を使ったほうが早く治りますので、皮膚科を受診することをおすすめします。ダニはばい菌ではなく、微生物のような生き物なので、市販されている抗菌剤では効かず、医師に処方してもらうようなしっかりした抗生剤でなければ治りません」 ――普通のニキビ用の薬では、ニキビダニによる肌のトラブルは治らないということですか? 「はい。市販の薬が効かないニキビができたら、ダニを疑って、早めに皮膚科を受診するといいでしょう。症状によってはオンライン診療でもお薬を処方できます。ただ、放置していても一生治らないわけではなく、やがて皮膚がしこりのように硬くゴワゴワになって、ダニの餌となる皮脂が出にくくなると、症状は落ち着いてきます。また、年齢とともに皮脂が減って、落ち着いてくる場合もあります。そうなったときには、ニキビ痕やクレーターになってしまっている可能性もありますので、やはり早めの受診が一番だと思います」