新たな川崎の“山脈”になるか。CBタイプ4枚を並べた最終ラインが神戸戦で登場
武藤に決められて試合には敗れる
[J1第18節]神戸 1-0 川崎/6月16日/国立競技場 43分に武藤嘉紀に決められて神戸に敗戦を喫した一戦、川崎で注目されたのが、180センチを越える4人のCBタイプを並べた最終ラインだ。 【動画】川崎の失点シーン 並びは右から3番・大南拓磨、4番・ジェジエウ、2番・高井幸大、5番・佐々木旭。佐々木と大南はSBと兼用の選手であるが、このふたりがCBコンビを組む試合も少なくないだけに、高さと守備力を有した4バックを採用したと言えるだろう。ちなみに、1番を背負う守護神のチョン・ソンリョンと合わせて、背番号1~5の選手が後方に揃うのは川崎としては意外と珍しい。 「相手のロングボールが多くなるところでは、その競り合いを求められていると思っていたので、そこの部分は強く感じていたのと、後ろでしっかり話しながら、ラインのアップダウンなどは強く意識していました」 大南がそう振り返ったように、神戸の前線には空中戦にも強い大迫勇也、武藤といったキーマンがいただけに、その対応策でもあったのだろう。 ただ前述したように43分には、ゴール前中央の浮き球を大迫に上手く武藤につなげられ、そこからの展開で、左からの酒井高徳のクロスを武藤に押し込まれた。 また攻撃面では本来、佐々木と大南の前への推進力を活かそうとの狙いがあったようだが、中盤やウイングに良い形でボールが入る回数が少なく、サイドからの攻撃も奏功したとは言えなかった。 それでもこの4人でスタートから最終ラインを組んだのは今回が初めて。新たな試みとしては興味深い。後方からのポゼッションなどには大きな課題を残すも、攻守でパワーを押し出したい際には、ひとつのオプションになるのかもしれない。 かつて箕輪義信、寺田周平、伊藤宏樹らで組んだ3バックが“川崎山脈”と称されたが、新たな可能性を見い出せるか注目だ。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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