大迫傑は“高みの見物“でOK?! なぜ最後の五輪選考レース「びわ湖毎日マラソン」で日本記録更新が期待できないのか
東京五輪マラソンの日本代表は残り1枠。男子は先日の東京マラソンで大迫傑(ナイキ)が自身の記録を更新する2時間5分29秒の日本記録を樹立したことで大きく前進した。残る代表選考レースは、3月8日のびわ湖毎日マラソン(以下、びわ湖)となる。 最終決戦となるびわ湖は1946年に創設され、現在開催されているなかで日本最古の歴史を誇る。3万人以上が参加する東京マラソンとスケジュールが近いこともあり、地味な印象は拭えない。しかし、4年前、8年前の大会では五輪代表を2人ずつ送り込んでいる。 果たして最後の1枠は大迫で決まりなのか。第75回大会となるびわ湖の可能性を探ってみたい。 まずはコース。滋賀県大津市の皇子山陸上競技場がスタート・フィニッシュで、琵琶湖南岸と瀬田川に沿って走る。30km手前の平津峠を除けば高低差はあまりなく高速コースといえるだろう。ただし、終盤は比良山系からの向かい風に苦しめられることが多く、3月上旬の大会だけに、年によっては気温が上昇することもある。記録が出やすい大会というわけではない。 びわ湖の過去8年間の優勝記録と日本人トップの記録(順位と名前)は以下の通りだ。 2019年 2:07:52 2:08:42(<7位>山本憲二) 2018年 2:07:53 2:10:51(<7位>中村匠吾) 2017年 2:09:06 2:10:10(<4位>佐々木悟) 2016年 2:09:11 2:09:16(<2位>北島寿典) 2015年 2:09:08 2:11:46(<4位>前田和浩) 2014年 2:09:10 2:09:47(<2位>佐々木悟) 2013年 2:08:34 2:08:51(<4位>藤原正和) 2012年 2:07:04 2:08:44(<4位>山本亮) 2016年は東京マラソンで日本人のサブテンがゼロに終わったこともあり、日本人トップ(2時間9分16秒)の北島寿典(安川電機)と同2位(2時間9分25秒)の石川末廣(Honda)がリオ五輪代表に選ばれている。 2012年も日本人トップ(2時間8分44秒)の山本亮(佐川急便)と同2位(2時間8分53秒)の中本健太郎(安川電機)がロンドン五輪代表に食い込んだが、今回は事情が異なる。