転勤族だった50代夫婦。今から3500万円で「住宅購入」は難しい? 住宅ローンの完済は「定年後」でも問題ないの? 知っておきたいリスクも解説
転勤族として全国を転々としながらキャリアを積み上げてきた50代夫婦。居住地が安定した50代に入ってようやく、これからの人生を見据え住宅購入を検討するという人もいるのではないでしょうか。 しかし、50代で住宅ローンを組むことにはどのような課題やリスクがあるのでしょうか。そこで本記事では、具体的なシミュレーションや注意点について解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
50代で住宅ローンを組むのは無謀?
最初に当たる壁として、「50代で住宅ローンを組むのは無謀か?」という疑問を持つ人も少なくないでしょう。 最近、多くの金融機関では、住宅ローンの申し込み条件として「完済時の年齢が80歳以下」であることを求めています。そのため、50歳で住宅ローンを組む場合、定年後も返済が続くプランを選択することも可能です。ただし、年収や勤続年数、健康状態などの条件によっては審査が厳しくなることもあります。 さらに、返済計画を立てる際には家計全体の収支を見直し、無理のない返済プランを組むことが求められます。ローンの返済額が生活費や将来の貯蓄に影響を与えないよう慎重に計画を立てましょう。
50歳で住宅ローンを65歳まで返す場合のシミュレーション
今回のケースでは3500万円の家を買う予定の夫婦からの相談です。実際に3500万円の住宅購入を仮定し、仮に金利が1.3%の場合でシミュレーションを行ってみましょう。頭金500万円と1000万円を入れた場合、それぞれの返済額を見てみましょう。 ■頭金500万円を入れた場合 借入額:3000万円 返済期間:15年 月々の返済額(10年間):約18万2000円 月々の返済額(残り5年間):約17万5000円 総返済額:約3153万円(元金3000万円+利息153万円) ■頭金1000万円を入れた場合 借入額:2500万円 返済期間:15年 月々の返済額(10年間):約15万2000円 月々の返済額(残り5年間):約14万6000円 総返済額:約2627万円(元金2500万円+利息127万円) 頭金を増やすことで月々の返済額を抑えられる一方、15年という短期間での返済は依然として高額です。金利の変動リスクや生活費との兼ね合いを慎重に考える必要があります。