「ロールモデルがいない」三浦瑠麗と蜷川実花、それでも捉われた「昭和の育児」の呪縛
蜷川:泣くことなんかあります? 三浦:自分のことではあまりないかな。むしろ子どもの話とか絵本を読むと、感じやすくてすぐ泣いちゃう。あとは何らかの友情を感じてほろりとしたときとか。 蜷川:わかる。子どもモノにはめちゃくちゃ弱い。でも仕事では泣かないな。 三浦:いつも、パーティーとかで会う実花さんは、完全に自然体ですよね。 蜷川:あ、そうそう。瑠麗さんもね。 三浦:だけど、やっぱり仕事の場に来ると、仕事人格になる。「見られる自分」っていう。 蜷川:もうちょっとかわいい格好してるもん。今日はお相手が瑠麗さんだし、ちょっと黒かしらと思ってキメて来ました。 三浦:両方好きですけどね。 蜷川:やっぱり、女であることって楽しいよね。私は生まれ変わるんだったら女の人がいいな。私はやっぱり、男の人好きだし。重い荷物も持ってもらいたい(笑)。 三浦:私もどんなに苦労したとしても、再び女に産まれることを選ぶかな。実花さんとは、身の処し方が共通している気がする。 蜷川:今度、瑠麗さんの写真を撮らせてよ。 三浦:ええっ、いいんですか? 蜷川:うん。撮りたい。いつでも呼んで。どこにでも行くから。私フットワーク軽いのよ。 三浦:嬉しい、ぜひ! 三浦瑠麗(みうら・るり) 1980年、神奈川県生まれ。国際政治学者。東京大学農学部を卒業後、同公共政策大学院及び同大学院法学政治学研究科を修了。博士(法学)。東京大学政策ビジョン研究センター講師を経て、山猫総合研究所代表取締役。『シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)でデビュー。近著に『日本の分断-私たちの民主主義の未来について 』(文春新書)。「朝まで生テレビ!」、「ワイドナショー」などテレビでも活躍している。 蜷川実花(にながわ・みか) 東京都生まれ。写真家、映画監督。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』(2019)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020)監督ほか、映像作品も多く手がける。2008年、「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回。2010年、Rizzoli N.Y.から写真集を出版、世界各国で話題に。以降、台湾、上海などでも個展を開催し、好評を博す。現在、「蜷川実花展―虚構と現実の間にー」が松坂屋美術館で開催中(~4月4日)。 【RED Chair+】 2人の本音に迫る『RED Chair+』。家族、戦友、ライバル、師弟など、この関係だからこそ語れる思いを届けます。