【30億件の学習データから検証】なぜ同じ授業を受けても差がつくのか。勉強ができる子の学び方に共通する「乗り越え力」を分析
「できない」を「できる」に変えるポイント3選
「できない」を「できる」に変えるには、ただ問題を解くだけではなく、その背景にある学習プロセスに目を向ける必要があります。つまずきに対する適切なフォローや、勉強への向き合い方を変えることが学力向上への第一歩です。 ここでは、学習への取り組み方のポイントを3つお伝えしていきます。 ■小さなつまづきを残さない「粘り強い学習」 「分からなかったことが、気づいたら分かるようになっていた」ということは、勉強においてはないと言ってよいでしょう。例えばピアノの練習でも、弾けなかった曲をいきなり完璧に弾けることはなく、何度も繰り返し練習することで少しずつ上達します。勉強も同様で、問題の解答を見てただ書き写すだけではなく、なぜその答えになるのか、どうしてこの式を使うのかなど、納得できるまでとことん向き合うことが大切です。 特に重要なのは、分からない部分をなくすという強い意思です。理解できていない箇所をクリアにしていないと、その小さなつまずきが後の学習に大きな影響を与えることになります。100点を取るまで諦めない、という強い気持ちで粘り強く取り組むことで、弱点を克服する力が身についていくのです。 ■基礎固めがポイント「算数の積み上げ学習」 算数は積み上げ型の教科のため、前の学習が次のステップに直結しています。そのため、算数の基礎がしっかりしていないと、その後の単元が理解できなくなる恐れがあります。小学校の算数は特に重要で、基礎を固めておかないと、後々の抽象的な概念や複雑な問題に対応できなくなるのです。 なかなか理解できない単元や、何度も間違える問題に直面したときは、つまずきの原因となっている基礎的な内容まで戻り、学習し直すことがポイントとなります。場合によっては何学年も前の内容に戻って復習する必要があるかもしれません。しかし、思い切って立ち返り苦手を潰すことで、おのずと突破口が見えてきます。 ■学力向上のカギは「小さな成功体験」の積み重ね 「自分ならできる」という自信を育むためには、小さなことからでもかまわないので、まずは挑戦してみる姿勢がとても大切です。 課題に対して挑戦し、自分で解決できたという経験は、脳内で達成感を引き起こす物質が分泌され、その成功体験が脳に強く記憶されます。さらに、自分の意識としてもこのような経験が自信を育むことで、次の挑戦に対するモチベーションを高められるでしょう。ポジティブな経験を積み重ねることで、勉強が楽しくなり、できないことにも自信を持って立ち向かえるようになります。 この繰り返しが学力向上の鍵となります。