【30億件の学習データから検証】なぜ同じ授業を受けても差がつくのか。勉強ができる子の学び方に共通する「乗り越え力」を分析
成績を分けるポイントは「苦手」への向き合い方
同じ学校の授業を受けているのに、勉強ができる子とそうでない子がいるのはなぜでしょうか? RISUの30億件に及ぶ学習データの分析から、「できる子の学習方法」には共通するポイントがあることが明らかになりました。それは、個人の能力、つまり才能や記憶力の差だけでなく、「できない」ことに直面したときの対処法が大きく異なるという点です。 RISUの学習データを見てみると、勉強ができる子は、苦手にぶつかったときに諦めるのではなく、くり返し再挑戦しています。一方で、勉強が不得意な子は、苦手分野を避けるなど、そのままにしている傾向がありました。 つまり、両者の違いは苦手な分野に対するアプローチにあるといえます。 ■できる子は「苦手を放置しない」 勉強ができる子とできない子の大きな違いは、苦手を放置しないことです。苦手なことに直面すると、多くの人は避けたくなるものですが、勉強ができる子はできないままにせず、自分の弱点にしっかり向き合います。 例えば、算数で「分数」が苦手な子がいるとしましょう。最初に習う分数の概念が分からないまま次に進んでしまうと、分数の計算や文章問題にも対応できなくなり、分数の単元自体が嫌いになってしまいます。最初は「ちょっと分からない」程度だったことが、次第に「苦手」に変わり、最終的には「嫌い」となって放置されてしまうのです。 勉強ができる子は、分からない部分をそのままにせず、理解できるまで学習を繰り返す傾向があります。どうして問題が解けなかったのか、原因を追求し復習を重ねることで、確実に理解を深めていきます。 ■できる子もできない子も「つまずく単元は皆同じ」 成績が伸びている子はどの単元も初めからできていると思われがちですが、実はそうではありません。RISUの30億件に及ぶ学習データから、ある単元に費やす学習時間の平均を調査したところ、できる子とできない子で学習時間に大きな差はありませんでした。 つまり、勉強ができる子だからといって、初めから学習内容をスムーズに理解し、特別な速さで習得しているわけではなく、皆が同じスタートラインから始めているのです。 全国トップレベルの成績をおさめる子も、そうでない子も、難しい単元に入ると最初は同じようにつまずく傾向があります。例えば、小学校算数の「位」や「図形」などの単元は、多くの生徒が苦戦するポイントです。しかし、成績を伸ばせる子は、つまずきに早めに気づき、苦手を克服しようと向き合っているのです。