ホンダ、複雑な路面状況に苦戦「4周目からリヤの振動が激しくなった」/MotoGP第12戦アラゴンGP スプリント
8月30日、2024年MotoGP第12戦アラゴンGP MotoGPクラスのスプリントがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは16位、ジョアン・ミルは18位となっている。 【写真】ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム) ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)はリタイア、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は14位で終えた。 プラクティスではザルコが8番手タイムを出し、今季初のダイレクトで予選Q2進出を決めた初日の夜に雨が降り、路面コンディションが大きく変わって2日目を迎えた。 フリー走行2回目は、雨上がりとウエットパッチが残るコンディションで、どのライダーも慎重に周回を重ねつつ、4人のライダーは刻々と変わる路面コンディションに対応するために多くの時間を割いた。FP2ではマリーニが19番手、ミルが15番手、ザルコは18番手、中上が21番手となった。 予選Q1に挑む3人は、前後ともソフトタイヤを選択。初日と同様、再びグリップ不足の路面と格闘することになり、マリーニが20番手、ミルが22番手、中上が18番手のグリッドからのスタートとなった。 予選Q2へと臨んだザルコは、フロントにミディアム、リヤにソフトと上位勢と同じタイヤ選択でコースイン。ザルコは1分49秒478で7番手タイムを刻む。最終アタックでは1分49秒080と自己ベストを更新していき、最終的に10番手でチェッカーが振られ、ホンダにとって今季最上位グリッドを獲得した。 続くスプリントは、気温30度、路面温度49度とまるで違う暑いコンディションへと変化。10番グリッドから1つ前のポイント圏内を狙うザルコだったが、オープニングラップでオーバーランからコースに復帰した際にほかのライダーと接触して転倒。早くも1周目でスプリントを終える結果となった。 マリーニは、スタート直後の第1コーナーで転倒したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)を回避する波乱で始まったが、1周目で16番手に浮上。同様にオープニングラップで17番手に浮上したミルは、2周目にリンスにかわされ18番手へとポジションを落としてしまう。 中上は2周目までに3つポジションを上げ、序盤から15番手に位置した。全体を通して1分49秒台のペースで周回を重ね、最終周でファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)をオーバーテイクし、14位でチェッカーを受けた。 マリーニは前半は1分49秒台、後半は1分50秒台へとややペースを落としたが、迫るアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)を抑えて16位に。ミルも先行するマリーニとリンスへ追撃を試みるも、決定打に欠け18位となった。 ザルコが最序盤に戦線離脱してしまい、レースでのポテンシャルがわからないままとなってしまった。しかし、決勝では10番グリッドからどのような走りを見せてくれるのかに期待したい。 ■ジョアン・ミル(予選:22番手、スプリント:18位) 「路面コンディションの変化に対応しなければならない厳しい一日だった。現状では路面コンディションとマシンについて理解しなければならないことがたくさんある。昨日は周回するごとにグリップが向上し、マシンのセットアップも進めることができたよ。今日は、レース中にフィーリングがよくはなったけど、他のライダーのようにペースを上げることができなかったね。明日はどんなレースができるのか楽しみにしているよ」 ■ルカ・マリーニ(予選:20番手、スプリント:16位) 「正直にいって、今日は本当にハードなレースだったよ。今日のコースコンディションは誰にとっても難しく、プッシュすることができなかった。序盤の2周は、レーシングラインを外れるとクラッシュする可能性が高かったから慎重に走ったよ」 「昨夜の雨でコンディションはより複雑になったけど、それはどのライダーにとっても同じだ。今日は4周目あたりからリヤの振動が激しくなってしまった。このような路面コンディションで安定した走りをするのは難しいから、その原因をしっかり理解したいと思うよ」 ■ヨハン・ザルコ(予選:10番手、スプリント:リタイア) 「第7コーナーの進入でアクシデントを避けようとしてはらんでしまい、コースに戻ろうとした時にほかのライダーと接触し転倒してしまった。接触した相手に状況を確認すると、彼には僕が見えていなかったようだった。かなり激しい衝撃だったけど、ケガはなく大丈夫だった。明日はいいレースをしたいね」 ■中上貴晶(予選:18番手、スプリント:14位) 「昨日は新しい路面に苦戦しましたが、今日は前夜に降った雨の影響で再び路面コンディションが変わり、厳しい走りを強いられました。昨日も今日もタイヤが接地しているフィーリングを感じることができず、攻める走りができませんでした」 「それでも1分49秒台のペースで走り続けることができたのはよかったです。今日はイン側からのスタートでしたが路面のグリップが悪く、走り出しに苦労しました。コース上でもラインを外すとグリップが悪いので、ミスをしないように走らなければなりませんでした。ポイントは獲得できませんでしたが、今日のペースには満足しています。明日の決勝ではポイント獲得を目指します」 [オートスポーツweb 2024年09月01日]