坂本勇人、田中将大、中田翔… 今季大誤算で来季が「背水の陣」になる名選手たち
今季4年ぶりのV奪回を飾った巨人だが、阿部慎之助監督は来季の陣容に頭を悩ませているだろう。15勝を挙げて最多勝に輝いた菅野智之が今オフに海外FA権を行使し、メジャーに挑戦する意向を表明している。菅野が抜けた穴を埋めるために先発陣のレベルを引き上げることが求められると共に、野手陣が得点力を高めなければ白星を積み重ねられない。 【写真】まだまだ活躍中のベテラン選手たち(4人) 今季、大きな誤算は坂本勇人だった。近年は故障で戦線離脱が目立ったが、それでも試合に出ればきっちり結果を出していた。昨年は打率.288、22本塁打、60打点をマーク。今季は遊撃に比べて守備の負担が少ない三塁に本格的にコンバートされ、打撃でさらなる活躍が期待された。阿部慎之助監督は岡本和真の後を打つ5番を託したが、好調が持続しない。6月26日に再調整で登録抹消に。故障やコンディション不良以外でのファーム降格は17年ぶりだった。2週間後に1軍昇格したが試行錯誤を繰り返し、109試合出場で打率.238、7本塁打、34打点。打率は08年にレギュラーに定着以来自己ワースト、本塁打や打点も故障続きで規定打席に達しなかった22年を除けばワーストの数字だった。 スポーツ紙デスクはこう分析する。 「調子が上がらないので焦りはあったと思います。昨年まできっちり見極めていた外角に逃げるボール球の変化球を空振りし、カウント有利の状況で捉えたと思った打球がファウルになる場面が目立ちました。走塁や守備を見る限り体はまだまだ動けていますが、気になるのは動体視力の衰えです。一流打者でも動体視力が落ちると、成績が一気に低下する」 来年は定位置を確約された立場ではない。チーム事情で外野に回ったココ・モンテスが守り慣れた三塁に戻る可能性があり、中山礼都が控える。ドラフト2位の浦田俊輔(九産大)が遊撃に入り、門脇が三塁に回る選択肢も考えられる。通算2415安打を積み上げてきた35歳の坂本は、もう一花咲かせられるか。