【北朝鮮内部・最新映像】野外市場には数少ない“痩せて小さな野菜” 路上で煮炊きする“ホームレス”…脱北者が明かす「1日1食おかゆだけの生活」
12月17日、北朝鮮内部の様子を映した映像が公開された。 そこに映っていたのは北朝鮮の野外市場「チャンマダン」、土の上に座り込んだ人たちが靴下などの衣類や野菜を売っている様子が確認できる。12月に撮影されたという映像の最後には、ホームレスとみられる男性が路上で食事をする様子も映っていた。 【画像】北朝鮮の内部映像もっと見る 「1日1食おかゆだけを食べる人もいた」 脱北者が明かす北朝鮮の窮状。核兵器や軍事衛星の開発が進む一方で、新型コロナをきっかけに住民たちは、より苦しい生活を強いられていた。
大人の“コッチェビ”!? 映像で見える北朝鮮の窮状
12月に撮影されたという北朝鮮内部の動画を公開したのは、韓国・東亜大学の姜東完(カン・ドンワン)教授。 北朝鮮の内情について長年にわたり研究を続けている姜教授は北朝鮮の経済の現状について「非常に劣悪」と話す。 東亜大学・姜東完教授: 北朝鮮内部で住民が手に入れることができる食料や生活必需品は極めて不足している。北朝鮮当局も今のような経済を引っ張っていく力量がないので、(今後も)当分の間は非常に劣悪だと見ることができる。 厳しい監視の中で北朝鮮内部の情報員が撮影したという映像を詳しく見てみる。 映像の冒頭、高齢の男女2人が販売しているのは、家畜の寄生虫駆除で使われる薬だ。 姜教授はこの薬が民間の市場で売られていることについて、「北朝鮮の保健医療システムが完全に崩壊した状況と言っても過言ではない」と指摘する。 さらに、映像ではダイコンやジャガイモなどの野菜が売られているのも確認できるが、いずれも痩せていて小さい上に、量は少なく見える。 姜教授が指摘する通り、北朝鮮では食料が不足している状況にあるのだろう。そして、姜教授が映像で一番注目したのが映像の最後に出てくる男性だ。 東亜大学・姜東完教授: 今までは子供たちが“コッチェビ”として暮らしていると言っていましたが、映像は成人。成人が市場の路地の片隅で火を焚いて食べている。それは北朝鮮が非常に貧しい、経済的に厳しいという状況を断面的に示している “コッチェビ”とは、孤児となり路上生活をしている子どもたちのことを指す北朝鮮の言葉だ。1990年代に餓死する人が相次いで出た食糧難の時に多く見られたという。 大人まで“コッチェビ”にならざるを得ない状況になっているということは、それだけ北朝鮮が置かれている状況の厳しさを物語っていると、姜教授は指摘する。 実際に、韓国の情報機関・国家情報院は2023年3月「北朝鮮でコメ約80万トンが不足している」という分析を明らかにした。さらに、北朝鮮内の比較的豊かな地域で餓死する人が続出していたことも韓国政府の分析で明らかになっている。
【関連記事】
- 【世界初】北朝鮮が見える展望台に“スタバ”オープン!南北軍事境界線すぐ側の韓国制限区域内に 市長「世界的に注目される観光地に」も地元で賛否
- 【独自】謎のイギリス人女性 北朝鮮をSNSでPR 食レポや兵士と会話も…専門家「北のプロパガンダ、両者が結託」
- 北朝鮮“ゴミ風船”に対抗…韓国が拡声器でBTSの曲など宣伝放送 与正氏「汚らわしく幼稚な行動」北朝鮮側も拡声器設置
- 狙いは脱北者防止か…北朝鮮が韓国とつながる“南北連結通路”を爆破 “ゴミ風船”など非難の応酬で今後の南北関係「今後も緊張高まる」
- 【独自】北朝鮮「外貨稼ぎ集団」制作の絵画が韓国通販に約11万で販売…「特別な考えで販売していない」国連の制裁対象で韓国政府も取引規制