「ミツバチ絶滅で人類は滅びる」ハチミツだけではない、知っているようで知らないミツバチのこと
カメムシの侵入経路になり、ミツバチの農薬被爆場所でもある畦畔の雑草を除草する。これは、本州では行われているものの、北海道は畦畔が広大だ。牧草の二度刈りによって斑点米カメムシ防除時期(7月下旬~)にミツバチが好きなクローバーを再開花させる対策も挙げられるが、そのコスト手間を説得できるかは難しい。 養蜂学を専門とする玉川大学の中村純名誉教授は「耕作放棄地などに蜜源を作り、水田に行かないようにする」と提言する。北海道のほとんどの市町村にあるスキー場でも蜜源ができ得るが、誰が蜜源を作るのかという壁にあたる。
ミツバチへの理解の浸透は不可欠
22年には、全国47都道府県で蜜蜂被害軽減対策を実施し、情報の共有に基づく対策を43都道府県が実施、ミツバチ被害に関する知見や被害軽減対策を講習会などで周知したのが30都道府県となっている。情報交換、相互理解で農薬被害は減らせているといえるかもしれない。 これは、現在進行形のB to Bリスクコミュニケーションの成功例だと言えるのではないか。今では、深刻なミツバチのヘギイタダニ被害や病害、熊の被害といった取るべき対策も広くなっている。人間にとってなくてはならないミツバチを残すべく、養蜂技術全般の向上、消費者を巻き込んだミツバチや養蜂業への理解の深化を目指したいものだ。
佐々義子