なんとなく×好奇心から…新聞記者が『町内会長』になってみたら町はこうなった 小さな気付きが地域を元気に
新聞記者のなせる業か、少し変わった動機だが、胸に秘めた信念がある。 新聞記者としてのスキルをいかして、学区の地域新聞「東志賀ヒーローズ」を立ち上げた。編集長はもちろん、鈴木さんだ。
コンセプトは「子供を巻き込む、究極のローカル新聞」で、作り始めて2年間、毎月欠かさず発行している。 鈴木龍司さん: 「僕自身がその町内会長をやるまで、例えば盆踊りとか夏まつりとか、誰がこのお祭りとかの準備をしているかっていうのをあまり知らなくて。『イベントってこういう人がやってるんだ』みたいなのを知ると、将来自分もやろうかなって思ってくれるんじゃないかなっていう期待も込めて」 東志賀学区長 山崎悦男さん: 「若い方に町内会長やってもらえるようになるともっと地域が活発になるのではと、その先駆者として鈴木さんがね、すごく頑張って頂いている」 鈴木龍司さん: 「泣けてきます」
取材ももちろん、鈴木さんが自ら行っている。 鈴木龍司さん: 「ラジオ体操はどうですか?」 住民の女性: 「老人会だけでやっとたんだけど、子供会が入れてくださいと」
鈴木さんの取材によると、東志賀学区では、夏休み中の老人会のラジオ体操を、子ども会と合同開催している。子どもがお年寄りに混ざり、公園に100人余りが集まる恒例行事だということだ。 鈴木龍司さん: 「お年寄りもお取り寄りで、毎年子供がこの時期来るので楽しみにしていて。そういうところの繋がりとして、『東志賀ヒーローズ』で今年も紹介したいなと思って」
何気ない、地域の朗らかな光景を真剣な表情で写真に収めたら、住民と一緒にラジオ体操をする。取材者であり、当事者。取材しながら参加するスタイルで、ネタを集めている。
取材を重ねて出来上がった地域新聞やチラシは、自ら「配達」している。学校に配るだけでなく、町内会11カ所の掲示板を回り貼りかえていく。 こうした活動もあり、2023年度は、新たに2世帯が町内会に加入したということだ。