なぜ大坂なおみは圧倒的強さを示して2年ぶり2度目の豪州OP優勝を果たせたのか?
テニスの全豪オープン女子シングルス決勝が20日に豪州メルボルン・パークで行われ、世界ランク3位の大坂なおみ(23、日清食品)が同24位のジェニファー・ブレイディ(25、アメリカ)を6-4、6-3のストレートで下して、2年ぶり2度目の優勝を果たした。四大大会の優勝は4勝目で優勝賞金275万豪州ドル(約2億3000万円)を獲得した。 昨年8月のウェスタン&サザン・オープンから続く、公式戦の連勝(試合開始前に棄権した2試合を除く)を「21」に伸ばした大坂は、22日に発表される最新の世界ランクでシモナ・ハレプ(29、ルーマニア)を抜いて2位に浮上することも決定。貫禄すら漂わせる圧勝ぶりと合わせて、ここ数年は絶対的な存在が現れなかった女子テニス界に「大坂時代」の到来を予感させた。 強烈なファーストサーブに何とか食らいついたブレイディのリターンが、ベースラインを大きくオーバーすると確信したのだろう。40-0とチャンピオンシップポイントをトリプルで握った第2セットの第9ゲーム。ボールを見送りながら、主審がコールする前にラケットを頭上にコートと水平にする形で掲げ、直後に小さく飛び跳ねた大坂が無邪気な笑顔を浮かべた。バックヤードでは「チーム大坂」のメンバーと、簡単な“シャンパンファイト”で喜びを分かちあった。 四大大会で初めて決勝に進んできたブレイディとは、昨年9月の全米オープン準決勝でも激突。フルセットにもつれ込む2時間8分の死闘の末に退けた同じ相手に、つけいる隙をほとんど与えなかった。わずか1時間17分のストレート勝利を、大坂は「メンタルのバトルだった」と振り返った。 「お互いにとてもナーバスな試合になった。自分を落ち着かせることにかなり集中したなかで、たとえパーフェクトなプレーはできなくても心を乱さないように、とずっと心がけていた」 今大会中に何度も「強くなった」と自己評価したメンタルは、どんな状況でもほとんど変わらなかった表情に反映されていた。象徴的な場面が4-4で迎えた第1セットの第9ゲーム。会心のアングルショットが決まったと思われた直後に、驚異的な粘りで追いついたブレイディが意表を突くロブショットを返す。頭上を越えていくボールを見送るしかなかった大坂がブレークポイントを握られた。