渦巻く“限界説”を長友佑都はどう受け止めているのか…W杯最終予選欠場の吉田麻也から「頼んだぞ」の伝言
しかし、チーム内外へのきめ細やかな配慮を介して、森保ジャパンの精神的支柱を担ってきた吉田は今月上旬に負った右太もも裏痛が回復せずに、先発フル出場を続けてきたアジア最終予選を7試合目にして初めて欠場する。 負傷した直後に吉田へ電話を入れた長友は、会話のなかで「今回は代表に行けない。頼んだぞ、と言われました」と明かした。その上で中国、無敗でグループBの首位を快走するサウジアラビアと続く戦いへ、自身が担うべき役割の一端をあらためて語った。 「ここにいる自分にできるのはチームにポジティブな雰囲気や空気をもたらし、一人ひとりの心をつなぐこと。試合に出ても出なくても、どんな状況でもチームにとってプラスになる存在でいたいし、それが自分の強みだと思っています」 吉田とセンターバックの二枚看板を担ってきた冨安健洋(23・アーセナル)も、スコットランドでブレークしたFW古橋亨梧(27・セルティック)も、攻撃の切り札を期待されたMF三笘薫(24・ユニオン・サンジロワーズ)も負傷で招集されていない。 7大会連続7度目のワールドカップ出場へ、勝ち点の取りこぼしが絶対に許されないホーム2連戦。ピッチの内外で見せるすべての立ち居振る舞いが、真正面から受け止めてきた批判に対して、ぶれない思考回路を介して長友が弾き出した答えとなる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)