露の団姫「夫婦が別の姓を名乗るためのペーパー離婚。公正証書の作成、共同親権、選択的夫婦別姓…2人で話し合い、唯一無二の《伴侶》としてこれからも」
落語家で僧侶の露の団姫さんは、結婚して一児をもうけたのち離婚届を提出しました。しかしその後の家族3人での生活も仲のよさは変わりなし。事実婚を決意するに至った「姓」の問題とはなんだったのでしょうか(構成:内山靖子) 【写真】鉄道好きの息子さんと家族三人で * * * * * * * ◆公正証書の作成は母に依頼 「やっぱり、鳴海姓に戻したいんやけど」。そう告げたとき、「逆に、これまで井村姓でいてくれてありがとう」と、夫は言ってくれたのです。 すでに私たちの息子が「井村」の姓となっていたこともあり、夫の両親を安心させるというミッションもクリアできていたから、タイミングもよかったと思います。 そこで、私が「鳴海」に戻るために、ペーパー離婚をして戸籍を分けようということになりました。実際に、夫婦別姓を実現させるためペーパー離婚をしている先輩カップルも周りにいたので、この方法がベストだろうと。 ただ、離婚届を提出するにあたり、「この離婚はあくまで夫婦が別の姓を名乗るためのもの」と明らかにしておいたほうがいいと考えて、公正証書を作ることに決めました。
というのも、「ペーパー離婚した」と話すと、「税金対策が目的でしょ。うまいことやったね」とか、「一人親のほうが保育園に入りやすくなるから?」と誤解されることが多いのです。挙句の果てには「これで浮気し放題やん」と言われたことも(笑)。 そうした誤解や偏見と闘うため、「法律婚で義務づけられていることと同じ内容で夫婦生活を続行します」という内容を明記した証書を作ったのです。 文書の作成は行政書士の資格を持つ母に頼みました。母は私と違い、「結婚したら、夫の姓になりたい」と思っていたそう。ですが、「自分らしく生きてほしい」という考えで私を育ててくれた人でもあるので、私の気持ちを受け止めてくれました。 私たち3人が生活をともにする家族であることを周囲にわかりやすくしておくために、息子の親権は大治朗にしておき、住民票での世帯主は私のままで、その世帯に夫と息子を入れました。 こうすれば、息子の国民健康保険証には世帯主として私の名前が記載されますし、なんらかの手続きが必要な際にも、住民票を提示すれば私たちが生活をともにしていることがわかりますからね。
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