国際体操連盟TOPに日本人。どんな追い風が?
国際体操連盟(FIG)の会長に、日本体操協会の渡辺守成専務理事が就任することとなった。 オリンピック競技の国際競技団体の会長に日本人が就任するのは実に22年ぶり。 「東京」に向けて、体操ニッポンにさらなる追い風が吹くと期待されているのだが、はたして内実はどうなのだろうか。 聞こえて来るのは、「会長国に有利なルール改正がおこなわれるのではないか」という憶測である。体操競技はオリンピック後、4年に1度にルールが改正される。渡辺新会長の就任が「東京」に向けたルール改正にも好影響をおよぼすのではないかというわけである。 しかし、結論を先に言えば、残念ながらそれは東京には間に合わない。 リオ五輪閉幕直後からすでに、2017年1月1日スタートの新ルール(東京オリンピックもこのルールでおこなわれる)の検討が始まっていて、骨子はできあがっている。リオ五輪で日本が金メダルを手にした男子団体は1チーム5人の団体戦から、1チーム4人の団体戦へと変更される見通しだ。種目別のみの出場も2人まで可能になる。 これが日本の追い風となるかどうかは、「まるで未知数」(日本体操協会関係者)と見られている。選手数が減る分、1人にかかる負担は大きくなり、内村航平のような6種目すべてに強いオールラウンダーがチームの軸として重要になることは間違いがないのだが、「それは現状の5人制でも同じこと」だからだ。 いずれにしても、東京に向けた新ルールはすでに固まっていて、12月には審判員など関係者向けのレクチャーが始まる。 では、何の好影響も期待できないのかと言えば、そうとも言い切れない。 「100対19という圧倒的な票差で渡辺新会長は選出されました。渡辺専務理事の力量が評価されたのはもちろんですが、我々は大きな流れとして、アテネ五輪で復活し、リオ五輪でふたたび団体金を手にした日本の美しい体操が支持されたと受け取っています」と前述の関係者は言う。