「おまえのウィルはどこにあるんだ!」 横文字を使いたがる意識高い系上司は日本では勝ち組になれない?
マンガ編集者としての経験を持ち、作家業の傍らマンガ原作も手掛ける堀田純司氏が、ちょっと困った“今ドキ上司”や“あるある経営者”を歴史上の人物になぞらえて紹介する「こんな上司は嫌だ」。 テーマは「横文字を使いたがる上司」です。横文字を多用する“意識高い系”上司には、海外の文化やビジネススタイルへの強い憧れが見え隠れします。 意味が伝わっていそうで伝わっていない、過度な横文字づかいは社員や部下たちにどのように受け取られているのでしょうか。堀田氏が、奈良時代の政治家・藤原仲麻呂のエピソードを交えつつ、グローバル志向がもたらす功罪について鋭く考察します。
社内で人望が薄い「出羽守」
島国の日本では、新しいものは常に「海の向こう」からやってきました。それは現代でも変わりません。 だからビジネスパーソンとしてフレッシュな感性を保つためにも、グローバルな視野を持つことは大事です。 ですが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」(これも外国由来の表現ですね)。 あまりに外国への憧れが過ぎると、それはもう「外国かぶれ」。「欧米デワー」「ほほ笑みの国デワー」と、なにかと外国の知識をひけらかすようになり、いわゆる「出羽守」と見なされるようになってしまいます。 このタイプの人は不思議と人望が薄いものです。実際問題、 「これ俺のジャストアイデアなんだけど、今期のフィジビリとして動かしていきたいんだ。だから次のミーティングのアジェンダにシェアしておいてくれる? アグリー?」 と聞かれてもあまり心に響かない(しばしば、なにを言われているのかもわからない)。 「横文字が飛び交う職場」は“ビジネスあるある”の鉄板ネタで、なかにはその横文字が特殊に発達した企業風土で有名な会社まであります。しかし 「おまえのウィルはどこにあるんだ!」 と詰められても「ケッ」と感じてしまって、素直には聞けない。それどころか怒られているにもかかわらず「プッ」と失笑してしまうこともあるでしょう。