京都大右腕 阪神2軍との“ドラフトテスト”に負けたけど合格?
4回二死から阪神期待のルーキー、横田をフォークを使って空振りの三振に斬ってとったかと思えば、5回一死三塁からショートのフィルダーチョイスで1点を失い、なお一死一、二塁と残ったピンチでは今度は坂口を外角高めのストレートの釣り球でスイングアウト。4、5、6、7の4イニングは1本のヒットも許さなかった。阪神の平田2軍監督は、素直に京大生に脱帽した。 「頭がいいね。1、2回は緊張からか力んだが、3回以上は、田中のペースになったね。配球も、2順目からは変化球から入ったり、簡単に走られると感じてからは、クイックを混ぜ込んだりと修正してきた。スライダーは切れるし、ここから体力をつけていけば、伸びしろのある選手。ぜひ京大初のプロ選手となることを楽しみにしている」。関西学生リーグ最下位のチームを相手に主力を温存、阪神は2軍半のメンバーで臨んだといえど、6-0のスコアは、物足りないのだろう。その物足りなさの原因は田中の立ち直りにある。 130球以上を投げた田中は、グッタリとした表情。「疲れました。体力的には大丈夫ですが、精神的にしんどかった。凄く緊張しましたが、本来リーグ戦の開幕戦で味わう緊張を1週間前にここで体験できたのは大きいです。プロは甘いボールを見逃してくれないし、大学生なら(タイミングが)崩れてくれるカーブにも、空振りを取れるはずのボールにも反応してきます。『そんなところを打たれるんや』と思ったボールもありましたし、技術の高さを凄いなと感じました。そういう課題と同時に自信になった部分も多かったです。スライダーを狙っているところにストレート、逆にストレートを狙っているとこにスライダー、カーブと、うまくコンビネーションを使えば、僕でも通用することもわかりました」。 会見には8台ものテレビカメラが並んでいた。相手が何を狙っているかがわかるという察知力に驚き「プロのバッターは、そういう気配は消しているはずだが?」と質問をすると「なんとなくですが、感じました」とさらっと答えた。