X/Twitterはオワコン?「ツイッターはおしまい」は事実か、さまざまな面から考察
ではXの月間ユーザー数はどれくらい? インスタと比較
Xの公式発表によると、2024年3月時点で月間のユーザー数は5億5,000万人とのこと。しかし、米Sensor Towerの調査では2022年11月と2024年2月で比較すると、1日あたりのユーザー数は23%減少しているとのデータも存在しています。 結局、Xのユーザー数は多いのか少ないのか、公式データや調査機関のデータだけだとよく分からない感があります。 そこでウェブサイト分析に用いられる「SpyMetrics」を用いて、ブラウザ版(※アプリ版を含まない。アプリの月間ダウンロード数やアクティブユーザー数などは考慮していません)の5月の推定訪問数を算出してみました。なお比較対象としてブラウザ版「Instagram」の訪問数も確認しています。 まずTwitterが「x.com」にリダイレクトされたのは、2024年5月半ばです。よって5月の訪問数を確認するには「twitter.com」「x.com」双方のユーザー数をチェックする必要があります。
まずtwitter.comは4.34B。「B」はビリオンを表し、10億を意味します。よってリダイレクト前の5月半ばまでで43億セッションとなります。そしてx.comは2.68B。およそ27億セッションとなり、両者を合わせると約70億セッションと見られます。1名が10ページ以上平均で見ていると推測されるため、ユーザー数としては「5億~7億人」ほどがいると推測されます。よってXのユーザー数が5億5000万人(※公式発表)というのは、法螺(ほら)ではなく正確な値ではないかと思われます。
そして、instagram.comは7.29BB。同じくBは10億を意味するため、およそ72億セッションと推定され、TwitterとXの合計値と差がありません。ブラウザ版のインスタとXを比較する限りだと、Xが「オワコン」とはあまり言えない状態です。
X/Twitterは意外に健闘している? それでも「オワコン」と指摘されがちな理由
このように検索での人気度やブラウザ版のセッション数などを見てみると、意外と「X」は健闘しているように感じられます。 ブラウザ版の推定値からうかがい知れる範囲内では、あまりInstagramと差がありませんし、青い鳥が消えた後にブラウザ版のXのユーザー数が激減したようにも見えません。それでも「オワコン」という声が少なからず囁かれるのは、やはり「アプリ版」の動きが大きいでしょう。先ほど述べた推定値にはアプリ版の数値が含まれていません。 そしてXのアプリ版の状況は、やはり芳しくないとは言えそうです。 ■API有料化:アプリ版の状況は決して良くなさそう Webアプリとして見ればXは決して悪い状態ではないですが、モバイルアプリとしては差が大きいです。まず一般的にInstagramのユーザー数はグローバルで「20億人ほど」と言われています。Xのユーザー数を5億5000万人(※公式数値)とした場合、両者のユーザー数には4倍の差があります。 この4倍から5倍の差はブラウザ版では生じていないため、やはり差があるのは「アプリ」。筆者が外部のアプリ分析ツールでチェックした限りでも、両者のデイリーアクティブユーザー数には4倍ほどの差がありそうです。 アプリ版の状況があまり良くない要因の1つには、APIの有料化が挙げられるでしょう。X(旧Twitter)は2023年3月30日にAPIの有料化を発表。これにより、既存のサードパーティー製アプリやツールが次々終了。そのため、サードパーティ製クライアントでX(旧Twitter)を利用している人は離れていくことになりました。