締め切り間近のふるさと納税、物価高の影響で人気返礼品のトレンドに変化 ウニ、イクラ、ステーキなど豪華なものから普段使いの品にシフト
控除を受けながらお得な返礼品を手に入れられるとして人気なのが「ふるさと納税」だが、その仕組みと申請方法はどのようなものか。最新版のお得な返礼品と合わせて、あらためて解説しよう。
ウェブサイト・ふるさと納税ガイドの編集長・飛田啓介氏が語る。 「ふるさと納税の制度を使って自分が選んだ自治体に寄附をすると、所得や家族構成によって決まる寄附上限額から2000円を引いた額が住民税や所得税から控除され、その際に自治体からは返礼品として地域の特産品を受け取れる。自己負担2000円で豪華返礼品がもらえるため、“やらない理由がない”と言われる制度です」 寄附上限額の目安は総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」や各ふるさと納税サイトで調べられる。例えば給与収入300万円の夫婦世帯の上限は約1万8000円だ。 1月1日~12月31日までに手続きを完了したふるさと納税による寄附は、当年の所得税や翌年の住民税に対して控除が適用される。2024年分の締め切りまでは2か月となった。 今年こそ始めたいという初心者はまず、楽天やYahoo!などのふるさと納税サイトや「さとふる」「ふるなび」といったふるさと納税専門サイトを覗いてみるとよい。 「楽天やYahoo!は寄附額に応じて自社サイトのポイントがもらえ、専門サイトは独自のポイントを様々なギフトカードなどに交換できる。自分が利用しやすいポイントが貯まるサイトを選ぶことが大切です。ただし来年10月以降、ポイント付与を行なうサイトを介したふるさと納税が禁止されるので、ポイント獲得を狙うならこの1年がラストチャンスです」(飛田氏) 返礼品を選んで寄附をした後には控除の手続きを忘れてはならない。以前は確定申告が必須だったが、2015年に「ワンストップ特例制度」がスタート。会社員などもともと確定申告が不要な人で寄附先が5自治体以内なら同制度を通じた申請で済むようになり、手間が大幅に軽減された。 「ワンストップ特例制度では、寄附する自治体に申請書や本人確認書類を提出するだけ。マイナンバーカードとスマホを使えばオンラインの申請も可能で、各種証明書の添付などは不要です」(同前)
以前は豪華な返礼品が人気だったがトレンド変化
注目の返礼品には近年、トレンドの変化がみられると飛田氏は言う。 「ウニやイクラなどの特産物、A5ランクステーキなど豪華な返礼品が人気でしたが、近年は物価高による影響で普段使いの品が人気です」 飛田氏は日常の食卓で使える返礼品(表参照)が特にお得だと指摘する。 「米の価格が高騰するなか、コシヒカリやあきたこまちなど数品種から好きな銘柄を選べる『選べるお米セット』や、同じく価格が高騰している鮭の切り身や豚バラ肉などが狙い目です」 人気の返礼品が品切れになる前に早めの手続きを心がけたい。 ※週刊ポスト2024年11月8・15日号