【職場は標高2,510m&通勤時間8時間】生まれ変わった光岳小屋を形づくる「個性豊かな仕事仲間」はこんなメンバーです
■世界一周を中断し、山生活は3年目。
もう1人は、光岳小屋の縁の下の力持ち、高橋くんをご紹介。世界一周中だった時に感染症の問題で帰国したタイミングで、たまたまうちの小屋に入ってもらい、今年で早3年目になった。 シーズンの大半を、わたしと高橋くんの2人で回している山小屋なので、小さいことから大きなことまで「ここ、どうしよっかね~」なんて言い合いながら、2人が納得できる答えを探している。 わたしは勢いとノリに頼りがち。考えに浅はかなところがある。一方、高橋くんは対照的で、冷静な判断と分析力に優れており、時には待ったを、時には背中を押してくれる。 例えば、夕食の時間までに到着していないお客さんがいたり、バッタバタの時にわたしが「戦じゃ~」とか叫んでいると、「いやいや、祭りでしょ」なんて言って、なんでも楽しく解釈してくれる天才だ。こんなんでしょげてたら山小屋なんてできないよ、達観することも必要だよね、ってクヨクヨしているわたしに言ってくれる。年齢はそんなに変わらないはずなのに、わたしよりずっとずっと大人だ。 きっとわたし1人では、山小屋の運営3年目まで辿り着けなかっただろう。1人で奮闘していた時とは違って、今は2人がいるからね。同じ目線でコミュニケーションをとれる関係が、くすぐったくも、嬉しい。 もちろん、わたしの「こういう山小屋にしたい」というビジョンがあっての今ではあるけれど、そこにスタッフそれぞれの個の色が混ざり合って、想像もできなかったような色が出ている感じ。それがまた、いい色なのだ。 小屋だけじゃなくて、わたし自身の人生も周りの人たちが豊かにしてくれる。バランスの悪いわたしでも、みんながいるからなんとか立っていられる。まだまだ発展途上だけれど、小さい小屋なりに働いてもらいやすい体制を作らなければ、小屋に先はないと思う。どんな人とどんな小屋を作っていきたいか、そのためにどんな仕事を作っていくか。来年に向けて考えていかねば! 小宮山 花(こみやま はな) 光岳小屋管理人 全国各地の山小屋で働いてきた経験を生かし、この春から南アルプスの光岳小屋の女主人に就任。山小屋ができる過程や、山小屋という仕事の裏側、そして南アルプスの魅力をレポートする。 光岳小屋の最新情報はインスタをチェック。@tekatekatekari
小宮山 花