オバマ元大統領やイーロン・マスク氏も体験した!? : “作品に身体ごと没入”するアートミュージアム 「チームラボプラネッツ」の美しき世界
旅行業界のアカデミー賞「ワールド・トラベル・アワード2023」で「アジアを代表する観光名所 」にも認定され、驚くほど多くの外国人が訪れている場所がある。東京・豊洲にあるアートミュージアム「チームラボプラネッツ」だ。なぜそれほどまでに注目されるのか。アート集団「チームラボ」が表現しようとしている世界とは――実際に作品を“体験”し、伝える。
“体験する”巨大なデジタルテクノロジーによるアート
取材で訪れたその日も、館内はさまざまな国の人であふれ返っていた── 「チームラボプラネッツ」は東京・豊洲にあるアートミュージアムだ。訪日外国人のおよそ10人に1人が来館しているとも言われ、2018年の開業以来、バラク・オバマ元大統領や起業家のイーロン・マスク氏など多くの著名人が訪れたことでも話題になっている。
人がそれだけ集まるのは、なんといっても“作品に身体ごと没入する”という唯一無二の体験を得られるからだろう。1万平方メートルもある敷地には、空間を丸ごと作品として体験する4つの大規模な空間作品と、2つの庭園が広がる。 そしてその空間には、全方位にデジタルテクノロジーを用いたアートが表されている。そこで鑑賞者は素足になり、空間によって変わる香りや壮大な音楽とともに作品を堪能し、没入していくのである。
さまざまな没入感を味わえる11の作品
“没入”と一口に言っても、 “どう没入するか”は作品により大きく異なる。
例えば【意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊 】は、光の球体によって空間が埋めつくされた作品だ。球体をかきわけながらその空間に入っていくと、衝撃を受けた球体が音を響かせながら色を変え、さらに周りの球体に放射状に、音と色の変化の輪が広がっていく。 そうした色の変化のなかで、ひととき空間が原色に覆われるタイミングがある。このときには空間が平面的に感じられるのだが、また元の状態に戻ると、空間に立体感が出る。そのようにこの作品では、立体として見えていたものが平面的になり、また立体に見え……と変化を続け、その繰り返しにより、鑑賞者は作品へと飲み込まれていく。 一方、作品【Floating in the Falling Universe of Flowers】は、ビジュアルがストレートに没入感を与える。これは空間がドーム状になっている作品で、360度広がる花々が生まれては花を咲かせ、花を散らせて枯れる…と刻々と変化しながら早い速度で動く。その様を寝転び、あるいは座って眺めていると、体が浮いてその世界と一体化したかのような感覚に包まれる。