ビッグマン2人が離脱…苦境の千葉ジェッツを陰日向で支える荒尾岳、「究極のプロフェッショナル」とグリーソンHCの信頼は絶大
「みんな荒尾選手とプレーすることがすごく好きだと思います」
1月5日、千葉ジェッツはホームでレバンガ北海道と対戦。最大21点のビハインドから猛追するが、あと一歩届かずに64-70で敗れた。 試合の出だし、千葉Jは北海道の激しいプレッシャーに後手に周り、ボールムーブがない単発のシュートを繰り返して外す悪循環に陥る。対照的に北海道は、インサイドアウトによるボールが大きく動くチームオフェンスから高確率で3ポイントシュートを決める。千葉Jは第1クォーターで14-30といきなり大量リードを許し、第2クォーター中盤には20-41にまで傷口が広がる。 だが、千葉Jはここから富樫勇樹の連続3ポイントシュート成功、さらにクリストファー・スミスのブザービーターによって11点差にまで追い上げる。後半に徐々に追い上げた千葉Jは、第4クォーター残り約3分には3点差にまで肉薄した。だが猛追もここまで。最終盤にシュートを決めきれずに大逆転勝利を逃した。 千葉Jのトレヴァー・グリーソンヘッドコーチは、出遅れを敗因に挙げた。「出だしで相手のほうがアグレッシブで、シュートも入っていました。それに対してフィジカルで対抗できずに21点差がつき、自分たちで難しい試合にしてしまいました。第2クォーターの途中からは素晴らしいパフォーマンスでしたが、それを40分間継続することが大事です」 惜しくも同一カード連勝を逃した千葉Jだが、ポジティブな材料として挙げたいのが西村文男、荒尾岳の両ベテランの活躍だ。75-67で勝利した前日は、第4クォーターに西村、荒尾が出場していた時間帯で千葉Jは得失点プラス15と北海道を圧倒。このクォーターで28-16と大差をつけ、逆転勝利を収めた。 また、今日も第4クォーターになると、西村と荒尾が揃ってコートイン。2人がプレーした3分半で10点ビハインドを5点にまで縮める見事な繋ぎ役だった。グリーソンヘッドコーチは、両ベテランの貢献をこう称える。 「もっと長い時間、起用できたらいいですが、試合の流れだったり、フィジカルやインテンシティの問題もあります。2人はチームにとって大きな存在です。できればリードしている場面で使いたいところもありますが、どんな展開でも彼らは信頼できるベテランで、ロッカールームでの声がけも素晴らしいです」 荒尾は今節の2試合ともに、第4クォーターになって初めてコートインした。それまで全く試合に出ていない中、第4クォーターの緊迫した場面でいきなり起用することについては、グリーソンヘッドコーチも「(荒尾にとって)難しい使われ方だと思います」と認識している。だが、それでも「彼は究極のプロフェッショナルです」と荒尾に絶大な信頼を寄せているからこそ、指揮官は難しい起用法を選択できる。 「チームに必要なことをやってくれて、チームファーストで常にいろいろなことを考えてプレーしてくれます。また、みんな荒尾選手とプレーすることがすごく好きだと思います。今のところ、ローテーションで2クォーターにマイケル(オウ)選手、4クォーターに荒尾選手を使っています」