中国機による領空侵犯、日本はやり返さなくていいの?→国民の命を守る航空自衛隊の回答は…
● 自衛官、特に戦闘機乗りは好戦的? F:今度、元自衛官の中谷(元)さんが防衛相になるから、少しは変わるのかもしれませんね。 中:いや、むしろ一般的に、自衛官ほどエスカレーションを上げていきたくないと考えると思います。相手が来れば対応することはもちろんですが、こちらから煽るのは無意味です。全く意味がない。偶発事象が起こる可能性を自ら高めるようなことはしたくない。 F:うーん。何かすごく意外です。 鈴:一般的には「自衛官はみんな好戦的だ」という印象があるのかもしれません。戦闘機乗りになるような人間は、なおのことそうじゃないかと。 F:はい。好戦的、血の気が多い人なんだろうなとは思います。そうでなければ、そもそも自衛隊になんか入らないでしょう? ● 自衛官だからこそ、好戦的ではなくなる 鈴:でもそれが、全く違うんですよ。戦闘に関する訓練をすればするほど、「死」ということが現実味を帯びてくるんです。訓練をすればするほど、勉強をすればするほどです。我々はそういうふうに教育されてきていますので。 中:演習にしても何にしても、やればやるほど戦争はやっちゃいけない、抑止をしなきゃいけないということが一番のポイントになってきます。本当に戦闘になったら、確実に被害も出ますし、お互いに相当な犠牲を払わなければいけなくなりますから。
● 田母神さんは好戦的なタカ派? F:自衛官はむしろ穏健派、すると田母神(俊雄)さんのような人は少数派なんですかね?みんなあんな感じなのかと思っていました。 中:田母上さん個人に関するコメントは控えさせていただきますが、最終的には戦争にならないために、いかに抑止できるかというのが1番のポイントです。だから我々が弱いとダメなんです。我々の強さを示威して、相手が来ることを断念させるわけですね。 ● 航空自衛隊も、情報収集はしている F:こちらから、向こうの領空ギリギリをかすめ飛ぶようなことはしないのですか?かすめないまでも、訓練で中国領空の近くを飛ぶことはないのですか? 鈴:ないです。 F:やらない? 鈴:やりません。ただ、情報収集等のための飛行は行っています。 F:中国と同じように、あちらの領空ギリギリを攻めるのですか。 鈴:どこまで行くのかというのは秘密の話なので言えません。ただ、情報収集活動等は行っています。
● 航空自衛隊の偵察機に対し、中国軍の戦闘機が緊急発進で上がる F:その時に、中国機のスクランブルは上がってくるのですか?戦闘機が飛んでくる? 鈴:来ますね。 F:うわー。来るんだ。 ……なにやら話がキナ臭くなってまいりました。 取材では偵察機に乗せていただいたり、戦闘機のコックピットに座らせていただいたりとさまざまな体験をしてきたのですが、その記事に至るまでにはもう少し時間がかかりそうです。緊迫の次号をお楽しみに!(フェルディナント・ヤマグチ)
フェルディナント・ヤマグチ