高市早苗氏でも、小泉進次郎氏でもない…「余命は長くて6カ月」石破政権の次を狙う"自民党のキーマン"
衆院選で過半数割れに追い込まれた石破政権は、これからどうなるのか。ジャーナリストの鮫島浩さんは「石破政権のままでは来夏の参院選は戦えず、政権の寿命はあと半年ほどになるだろう。石破氏の次を狙う動きはすでに始まっている」という――。 【画像】「石破おろし」の狼煙をあげるのはこの人 ■反主流派は「動くに動けない」状況 総選挙で惨敗し、自民党内には石破茂首相への怒りが充満している。石破首相が自ら掲げた「自公与党で過半数」を勝敗ラインを割り込みながら、平然と続投を宣言したことが憤怒を増幅させている。 けれどもただちに「石破おろし」の狼煙があがる気配はない。石破首相を忌み嫌う安倍派は裏金議員が大量落選し、党内抗争を仕掛ける力を失った。何よりも自公過半数割れのなかで石破首相に退陣を迫れば、自民党が分裂して政界再編を誘発し野党に転落しかねない。反主流派は動くに動けないのが実情である。 9月の総裁選の決選投票で逆転負けした高市早苗氏は、石破首相から提示された自民党総務会長のポストを固辞し、「党内野党」を宣言した。総選挙公示後は12日間の選挙期間のうち11日を地元・奈良2区を離れて全国を駆け巡った。石破首相や森山裕幹事長ら自民党執行部が非公認とした安倍派5人衆の萩生田光一氏の応援にも駆けつけた。 総選挙後に「石破おろし」を仕掛けて再び総裁選に挑戦するには、9月の総裁選で高市氏を支持した安倍派中心の「同志」がひとりでも多く国会に戻ることが絶対に必要だ。裏金事件で猛烈な逆風を浴びた安倍派の面々にとって、今回の総選挙の心の支えは、高市氏と安倍晋三元首相の昭恵夫人だった。 ■20年以上続いた「清和会時代」の終焉 ところが、結果は散々だった。安倍派は候補者50人のうち当選したのは22人だけ。裏金議員46人は18勝28敗だった。高市氏が応援に入った約40人のうち、実に6割が落選したのである。裏金問題に対する世論の批判は痛烈だった。最大派閥だった安倍派(清和会)は壊滅的な打撃を受け、自民党内に20年以上にわたって君臨した「清和会時代」は終焉した。