中国機による領空侵犯、日本はやり返さなくていいの?→国民の命を守る航空自衛隊の回答は…
● 中国軍の飛行機が日本の領空を侵犯した目的は? F:今回、中国軍機は何をしに来たのですか? 鈴:中央の方で分析をしているところです。ただはっきりしているのは、「中国は活動範囲を広げている」という事実です。 F:今回の侵犯はミスだった。意図的なものではなかった、という話もありますが。 鈴:エラーである可能性も考えられますが、事実は分かりません。 F:我々民間人の持つiPhoneのGPSでさえメートル単位で正確な位置測定ができるのに、最先端の計測機器を積んだ飛行機が測り間違えるわけがありませんよね。 鈴:特に、ああいう本当に微妙な際(きわ)の部分を飛んでいる時のパイロットは、絶対に自分の位置を正確に測定していると思います。普通に考えたら、フェルさんのおっしゃる通り分かっているはずです。ただこればかりは本当に何とも言いようがありません。 F:中国から領空侵犯に関する謝罪はありましたか? 鈴:ないという認識ですが、細部は不明です。
● 自衛隊は「やられたからやり返す」という考え方はしない F:中国機による領空侵犯の直後に、今度は海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を通過しました。これは海上自衛隊発足以来初めてのことです。それに対し中国政府は「中国の主権と安全を損なう挑発行為に断固反対する」と強く反発しています。あれは今回の領空侵犯に対する一種の意趣返しといえるものですか? 鈴:それは我々には分かりません。 南西航空方面隊副司令官 中島隆幸氏(以下、中):日本からエスカレーションラダー(escalation ladder:紛争の段階的な拡大)を上げていくことは基本的にありません。 F:国民感情からすると、「日本はやられっ放しじゃないか。やり返さなくて良いのか」という思いがあると思うのですが。自衛隊の答えは「はい。我々はやり返しません」ということなのですか? 鈴:細部については言えないのですが、それがベースだと認識しています。