中国機による領空侵犯、日本はやり返さなくていいの?→国民の命を守る航空自衛隊の回答は…
● 取材決定の翌日、中国軍の飛行機が初めて日本の領空を侵犯した 何ともタイムリーな取材となった。今回からお送りするのは、日本の防衛最前線である、航空自衛隊 那覇基地&南西航空方面隊取材記である。前々から航空幕僚監部広報室、および航空自衛隊那覇基地広報室と取材の調整を取っていたのだが、ようやく取材が実現すると決まった翌日に、中国軍のY-9情報収集機が長崎県男女群島沖の領海上空を侵犯したのである。 これまでに防衛省が発表した領空侵犯の事例は計46件ある。 中国保有の航空機としては、過去に旧国家海洋局(2018年に自然資源部に統合)所属の固定翼機や、海警局所属とみられるドローンが領空侵犯した事実がある。しかし“中国軍”による領空侵犯が確認されたのは、歴史上初めてのことだ。これに対し自衛隊は、航空自衛隊西部航空方面隊の戦闘機を緊急発進させ、通告および警告を実施した。 このような微妙なタイミングで、果たして最前線のインタビューが可能なのだろうか。「時期が時期なので……」とキャンセルされてしまうのではないか。細かい話だが、既に変更の利かない格安チケットも取ってしまっている。 しかし空幕と那覇基地の心は広かった。予定通り取材を快く受け入れてくださったのだ。以下、防衛省 航空自衛隊 南西航空方面隊副司令官の中島隆幸氏と、第9航空団司令兼 那覇基地司令の鈴木繁直氏のインタビューである。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):大変な時期に取材を受けてくださり感謝します。中国軍の飛行機が領空侵犯したのが初めてとは知りませんでした。これまでに何度もしているのだと思っていました。 防衛省 航空自衛隊 第9航空団司令 兼 那覇基地司令 鈴木繁直氏(以下、鈴):南西域に関しては、今までに中国軍機が「これ以上近づくと危ない!」という距離感までは来たことはありませんでした。「来なかった」というよりも、「来ないように抑えていた」と言った方が正しいかもしれません。 F:今回の対中国機スクランブルは、宮崎の新田原(にゅうたばる)基地から出たのですよね? 鈴:新田原からF-15も行っていますが、今回は福岡の築城(ついき)基地からF-2が行っています。