セ・パの格差はなくなったのか?
打撃面はどうか。本塁打数はセのヤクルトの24本が1位で、西武の20本が2位、巨人が18本で3位と続く。ワーストは広島の2本、11位がパの最下位でもあるオリックスの6本だった。合計するとセが76本で、パが74本。 チーム打率は、ソフトバンクが.267で1位、2位が.265のヤクルトで、3位が.263のオリックス。ワーストが広島の.217で、11位が.227の巨人、10位が.228の楽天。平均するとセが.241、パが.247。こちらもパがセを上回っている。 盗塁がイコール機動力というわけではないが、盗塁数では、1位が19個の阪神、2位が、16個の巨人、3位が15個のロッテとなり、ワーストが2個の広島、11位が5個の中日。パのワーストのオリックスが6個で続く。 打撃の個人成績ランキングはどうか。 本塁打トップが日ハム戦で1試合3発を放った阪神の大山の7本。6本で、ヤクルトの村上、横浜DeNAの牧、西武の山川が並んで続くが、上位11人中、パの選手は山川と5本を打った西武のオグレディ、ロッテのレアードの3人だけ。打点は大山が21点で2冠。2位にロッテレアードの17点、巨人の岡本が16点で3位、楽天の浅村が15点で4位と続き、こちらも上位10人中、6人がセの打者だった。 優勝を決めたソフトバンク戦で、満塁本塁打を放ったヤクルトの村上は13点で8位タイだった。また交流戦首位打者は、オリックス杉本の.391、2位がソフトバンク牧原の.383、3位が阪神近本の.361、4位が村上の.351となっている。上位10人を見るとセ・パそれぞれ5人ずつ。個人成績を見ても、セ・パの格差は、ほぼなくなっている。 楽天、巨人、西武で作戦参謀を務めてセ・パの野球を見てきた現新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は、「セ・パの格差はもうなくなったと見ていい」という意見だ。 「交流戦では2010年から10年連続でパがセを圧倒。日本シリーズで巨人がソフトバンクに2019、2020年と2年連続で4連敗してセ・パの格差やDH制度の違いの影響などが議論されるようになった。だが、昨年の交流戦で、セが勝ち越して、日本シリーズでも、ヤクルトが接戦を制してオリックスに勝ったことで、パがセを凌駕した時代は終わった。かつては投打ともにエース、4番と呼ばれる選手を象徴として、パの選手がパワー、スピードで上回っていたが、今年の交流戦の個人成績を見ても明らかだが、そういう選手がパではいなくなってきた。この10年間で、ダルビッシュ、大谷、有原、秋山らというパを代表する選手がメジャーに流出。徐々に全体のレベルも平均化してきたのかもしれない」