財産の種類に条件ナシ!「60歳以上」なら使える「相続時精算課税」って何?
相続時精算課税の利用がお得になる人の条件
次に、相続時精算課税の利用によってメリットを受けられる人の特徴を紹介します。人によっては、利用しない方がお得な場合もあるため、利用価値があるか判断しましょう。 ■すでに年間110万円以上贈与している人 通常の生前贈与である暦年課税は、1月1日から12月31日の1年間に110万円までの贈与であれば、贈与税が発生しない制度です。しかし、暦年課税は超過累進課税を採用しているため、贈与額が増えるほど税金も高くなっていきます。 そのため、すでに年間110万円以上贈与しており、さらに贈与を検討している場合は相続時精算課税を利用した方が税金が軽くなる可能性があるでしょう。 ■収益性のある財産をもっている人 アパートやマンションなどの賃貸といった収益物件をもっている場合、相続時精算課税の利用で節税対策になる可能性があります。収益物件を子どもや孫に生前贈与すると、収益物件によって得られる不動産収入は、贈与を受けた側(がわ)の収入になります。 生前贈与しなかった場合、毎月の収益は亡くなった際に相続財産に含まれてしまうでしょう。収益が多いほど相続税が高くなってしまうため、収益性の高い物件をもっていて、最終的に子どもや孫に譲る意志がある場合は、相続時精算課税を利用するのも一つの手です。 ■相続トラブルが発生しそうな人 親族間で相続トラブルが発生することは、よくあります。もし特定の相手に財産を引き継いでもらいたいという意志がある場合は、生前から贈与しておけば確実に引き継げるとともに相続時のトラブルも防げるかもしれません。 ただし、生前贈与によって特定の相手に多くの財産を渡してしまうと、相続時の遺産分割協議で相続人同士の争いが発生する可能性があるため注意しましょう。
相続時精算課税制度が節税対策になる
相続時精算課税を活用すると、2500万円までの生前贈与が非課税になります。基礎控除110万円とは別に控除されるため、多額の財産があり子どもや孫に譲りたいと考えている方は、利用を検討しましょう。 ただし、年間110万円以内で少しずつ贈与したいと考えている方は、相続時精算課税を利用しなくてもよいといえます。自身の財産をどのように受け継いでもらいたいかを考えたうえで、利用するかどうか決めましょう。 出典 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部