「体の一部がパンパンに腫れていた」24歳で“がん”発覚、兄の死…公務員を辞めて“自給自足生活”を続ける30歳男性が、安定した職を捨ててYouTuberに転身したワケ
――その“腫れ”に気づくまで、がんの兆候はなかったのでしょうか? 高須 今思い返すと、なんとなく「だるいな」と思う日はあったかもしれません。でも、それくらいです。小さい頃から体を動かすのが好きだったから、健康には自信があったし、実際に風邪をひいたことすらほとんどありませんでした。 幸い、がんは早期発見できたうえに治療もしやすい位置だったんですよ。それでも、「なんで僕が?」という思いは拭えなかったですね。手術を受けたあと、3週間ほど自宅療養をしていたのですが、「何歳まで生きられるのかな」「仕事はどうなるんだろう」と嫌なことばかり考えてしまって。でも、あの時間があったから、自分や自分の大切な人たちの人生について真剣に考えられたな、とも思います。 僕が自宅でがんの療養をしていた頃、一番上の兄も病気で自宅療養していたんですよ。
難病の兄と一緒に自宅で療養していた
――高須さんと同じ時期に、5歳上のお兄さんも病気療養していたと。 高須 そうです。一番上の兄は、高校を卒業したあと上智大学に進学し、第一志望のIT企業への就職も決まっていました。でも、入社直前に『エーラス・ダンロス症候群』という、筋肉と骨をつなぐ腱や血管がもろくなる難病にかかっていることがわかり、急遽東京から幸田町に戻って来ることになって。そこから約8年間、兄は自宅で療養を続けていました。 兄は医師から病名を宣告されたとき、自分が一番辛いはずなのに、動揺した父と母を慰めていたと聞いています。また、兄が患った病気は遺伝性のものだったので、弟ふたりのことを心配した兄が「すぐに検査をしてほしい」と言ってくれて。その検査の結果、僕達ふたりは病気にかかっていないことがわかり、一番上の兄はホッとした表情をしていました。 ――家族想いのお兄さんだったのですね。 高須 僕ががんで自宅療養を始めたときも、「俺は療養の先輩だから」と言って、たくさんサポートしてくれて。僕が暇を持て余しているのを見て、PlayStationをプレゼントしてくれたこともありましたね。
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