スパナなのに、軽いんですけど!「ライツール」のコンビネーションスパナを使ってみた
「ライツール」は軽いだけでなく、強度も十分。しっかりJIS規格の強度をクリアしています。また、老舗の工具の専門メーカーなので、使い心地にもきちんとこだわって開発しているという点がいいんですよね。個人的には、小さな“プチ”シリーズにも悶絶しました。 【もっと写真を見る】
ボルトやナットを回すのに使う、レンチやスパナ。使う頻度が少ないとサイズを揃えるのが大変で、モンキーレンチに頼ってしまいがちです。 ただ、モンキーレンチのあごの部分は可変ということもあって、多少遊びがある点に注意。挟み方が甘いとすっぽ抜けてしまい、ボルトやナットの角を痛めてしまうことがあります。 これに対し、口径部の二面幅が固定サイズのスパナは汎用性こそ劣るものの、遊びがないためすっぽ抜ける可能性は激減。より安全に回せるのがメリットです。とはいえ、2面で挟む形状ですから2点でしか支えられず、力をかける用途には向いていません。早回ししたい場合に使うのがいいでしょう。 では、力をかける用途に向いているのは何かというと、めがねレンチです。スパナのように口径部がコの字ではなく、円形となっているため、ボルトやナットを6点で支えて回せるのがメリット。つまり、角を痛めにくく、強く回しやすいわけです。 このスパナとめがねレンチ、両方を備えた工具が、「コンビネーションスパナ」です。 ●重いはずのコンビネーションスパナが軽い!? 早回しも、力をかけて回すこともできるという点で、コンビネーションスパナは優れています。しかし、強度が必要となるため、ボディまですべて金属製。一般的な製品はかなり重量があり、複数サイズをまとめたセットとなると、持ち運ぶのにも苦労してしまいます。 とくに高所作業では、梯子や脚立の上り下りがあり、重量のある工具は地味につらいところ。少しでも軽いコンビネーションスパナがあればいいのになんて思ったことはないでしょうか。 そんな人にうってつけの工具が、今回紹介する旭金属工業の「LIGHTOOL(ライツール) コンビネーションスパナ」(実売価格 861円~)です。 このコンビネーションスパナをお借りしたので、どんな製品なのかチェックしてみました。 ●軽いだけじゃない、強度もしっかりある LIGHTOOLの特徴は、大胆に肉抜きをすることで、通常よりもかなり軽量化されていること。通常品(比較用にダイソーで購入したもの)と並べて見比べてみると、一目瞭然です。 重量は実測で、通常品が約67gに対し、LIGHTOOLは約44g。手で持ってみても明らかに軽いとわかるほどの差があります。 軽量化のポイントは、大きく2つ。ひとつはボディ部分で、中央部分とスパナの口径部寄りが大きく肉抜きされています。 この部分に、カラビナを引っかけて持ち運ぶ、というのもありですね。 もうひとつは、スパナの口径部の外周部。ボルトやナットをつかむ部分の厚みは従来通りですが、その外側が両面とも薄くなっています。 どのくらい軽くなるのかはサイズによって変わるため一概に言えませんが、カタログの公称値だと、ザックリ2~4割ほど軽くなっていました。ここまで違えば、手にしてすぐに気づくレベルです。 もちろん軽いだけでなく、強度も十分。しっかりJIS規格の強度をクリアしています。また、老舗の工具の専門メーカーなので、使い心地もしっかりこだわって開発しているという点がいいですよね。 続いて大きさですが、主力の「LCW コンビネーションスパナ」のサイズは5.5~32まで、21種類が用意されており、必要なものだけ購入可能。よく使うサイズのセット品もあるので、こちらを選ぶのもありです。 一般的な用途で使える「LCWS コンビネーションスパナセット 7本組」(実売価格 1万2650円)は、8、10、12、13、14、17、19の7本で、専用のホルダー付きでした。 このホルダー、カバーをパカッと開けると必要なサイズだけを引き抜けるというもの。自立もできれば、壁掛けも可能と、かなり使いやすく感じました。 ●さらに小さな“プチ”がめちゃくちゃカワイイ! LIGHTOOLはいくつか種類があるのですが、「これは!?」と驚いたのが、「LCWU プチコンビネーションスパナ」(実売価格 4840円/6本組)です。 軽量化されたまま、短くなっているのが特徴。サイズは5.5~17と大型のものはありませんが、最短で48mm、最長でも71mmしかありません。 今回は8、10、12、13、14、17のサイズがセットになった6本組、すべて並べても手のひらに乗るほど小さく、とにかくカワイイ。 なお、短いということは力をかけられないということ。なので普段使いではなく、長い工具の入らない狭い場所で使いたい、裏側のナットを押さえたい、携帯用の工具が欲しい、といった場合に選ぶといいでしょう。 工具ファンとしては、この小さくてカワイイという特徴をいかし、キーホルダーのように持ち歩くのもオススメしたい。ただし、工具は飛行機へと持ち込めないので、没収されないよう気を付けましょう。 ●自転車やバイク、車などをいじる人に スパナやレンチはシンプルな工具だけに、ホームセンターへ行けば色々なものが売られています。価格だけで選ぶのもいいですが、せっかくなら、自分で気に入るような製品を選びたいところ。 「LIGHTOOL コンビネーションスパナ」は軽量というメリットもありますが、それ以上にデザイン面で目を引く製品。自転車やバイク、車などをいじる人なら普段からスパナを使うだけに、LIGHTOOLのような所有欲がくすぐられる工具を選びたくなります。 ●お気に入りポイント● ・肉抜きされてても強度は十分 ・セットのホルダーが使いやすい ・「プチ」がかわいくてキーホルダーにしたい この記事を書いた人──宮里圭介 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。 文● 宮里圭介 編集●こーのス/ASCII