注目の「安彦良和展」で見つけた…ガンプラ好き必見!?の限定グッズ、3色セットの塗料
現在、「兵庫県立美術館」(兵庫県神戸市)で開催中の大規模回顧展『描く人、安彦良和』。その会場内のミュージアムグッズ売り場には、「ガンプラ(ガンダムのプラモデルの略)好き」が手に入れたくなる限定グッズが存在するのをご存じだろうか? 【写真】癒やされる…安彦氏の自画像の「指人形」も販売中 ■ 安彦氏も愛用の3カラー、グッズで登場 不朽の名作『機動戦士ガンダム』が放映45周年を迎え、同作のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターとして広く知られる安彦良和氏の画業を通覧できる同展。そのグッズ売場には、なんと安彦氏が自ら調色した模型塗料というマニアックなグッズが限定販売されているのだ。 色の種類は、青・赤・白のトリコロール。写真を見てお分かりの通り、ファーストガンダムのカラーを彷彿とさせる絶妙な色調だ。グッズ売り場の担当者は、「安彦先生は、必ず色を混ぜて使います。この3色は、先生がよく使うカラーです」と説明する。 ガンプラを愛する方ならば、ぜひとも入手して、安彦氏調色カラーでファーストガンダムを制作してみたい欲求に駆られるだろう。取材時にもメディア関係者が「これは欲しい」と呟いていた。 ところで、安彦氏は、開幕前日におこなわれた記者会見で、「ファンの高齢化は避けられないので、若い世代にもぜひ観てもらえたら」と語っている。小中高生などの若い世代が安彦作品に興味を持つ入り口のひとつが「ガンプラ」ではないだろうか? ■ ファン多い「ガンプラ」、若年層からの興味のキッカケに 40年以上にわたりガンプラが愛される魅力は、自分で一から創り上げることができる点だ。ガンプラを含むバンダイのプラモデル全般をプロモーションし、直営店事業をおこなう「BANDAI SPIRITS」が公表しているデータでは、2023年3月末時点のガンプラの累計出荷数が国内外含め7億6000万個を超えたという。国内だけでなく、海外にもファンが多いことが分かる。 また、バンダイナムコグループの横断プロジェクト「ガンダムプロジェクト」のなかで、「ガンダムエデュケーショナルプログラム」という教育プログラムが展開されており、小中学生向けのコースが存在する。同プログラムは、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAの動くガンダムやガンプラを素材に、ものづくりの楽しさや地球環境等について考える内容で、若年層がガンダムに興味を持つきっかけのひとつになっている。 ガンダムシリーズの他にも、安彦氏は、キャラクターデザインを手掛けた『勇者ライディーン』や監督を務めた『クラッシャージョウ』などの人気アニメーションを手掛けるだけでなく、ギリシア神話に着想を得た『アリオン』で念願のマンガ家デビュー。以降、主に『ナムジ』や『虹色のトロツキー』など、歴史マンガ(古代史シリーズ、近代史シリーズ、西洋史シリーズ)を中心に活躍の場を広げている。 史実をベースにしながら、織りなされる人間同士の感情のぶつかり合いといった重厚な内容が圧倒的な画力で描かれた作品は、歴史好きならば、熟年層だけでなく、若年層も心惹かれるはずだ。 会場内には、安彦氏が同展のために描き下ろしたイラストもあり、それも限定グッズ化されているので見逃せない。ほかにも、かわいらしい自画像の指人形や出身の北海道遠軽町でしか販売されていない洋菓子『花コスモス』(イラストを安彦氏が手掛ける)など、ユニークなグッズが販売されている。 『描く人、安彦良和』は、「兵庫県立美術館」にて9月1までの開催。料金は一般1900円ほか、詳しくは公式サイトにて。 取材・文・写真/いずみゆか