金竜顕・前国防相の起訴状に尹大統領弁護団が反発「軍司令官がうその供述…『実弾は持っていくな』と言った」
金竜顕(キム・ヨンヒョン)前韓国国防長官の検察起訴状の内容について、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側が強く反発している。尹大統領側は5日、「検察の一方的な主張の羅列であり、客観的状況や常識に合致しない荒唐無稽(むけい)な内容だ」「矛盾も多く、具体的な証拠もない」と述べた。その上で、「今後の弾劾審判に大統領が自ら出て意見を述べるだろう」と言った。 【写真】「『国会議員を引きずり出せという指示を尹大統領から受けた』と証言した郭種根司令官は共に民主議員の紹介で同党寄りの弁護士を選任」
「尹大統領は非常戒厳宣布について、金竜顕前長官ら軍関係者と9カ月間にわたり論議・主導した」という検察の主張を尹大統領側は全面的に否定した。尹大統領側の尹甲根(ユン・ガプクン)弁護士は同日、「国を憂えて交わした話を無理やり引っ張り出して、切り貼りした」「大統領が『国が大変なことになった。画期的な方法を講じなければならない』などと言えば、それがすべて内乱・陰謀になるのだろうか。反国家勢力を懸念して話し合ったことを『内乱だ』としてくくったものだ」と言った。 尹甲根弁護士は特に、「尹大統領が『銃を撃ってでも国会を鎮圧せよ』『議員を逮捕せよ』と指示したことは全くない」と強調した。同弁護士は「出動した兵士たちに『実弾を持っていくな』と言ったので非武装の状態だった。国会を占領したり、議員が逮捕されたりしたこともなかった」「戒厳で国民の生命・身体などの基本権は制限されていない」と言った。だがその一方で、「(一部兵士が)出動時に自身の判断で実弾を持っていった可能性はある」とも述べた。あくまで「国会に対する警告性の戒厳宣布であって、秩序維持のための最小限の兵力のみを投入したものだ」としている。 さらに、尹甲根弁護士は軍指揮官の証言など、検察が提示した証拠も否定している。「軍司令官らの供述は相当部分がウソ」との見解を述べた。「国会の戒厳解除議決直後、尹大統領は軍司令官に『2回でも3回でも戒厳宣布すればいい』と言った」という起訴状の一部に対して、同弁護士は「国会の戒厳解除議決後、軍は直ちに撤収した。2回目、3回目の戒厳宣布はあり得ない」と言った。国家非常立法機構予算編成疑惑についても「出所不明のメモから出てきたということのようだが、話にならないシナリオだ」と反論した。 尹大統領側は今月3日に憲法裁判所弾劾審判に提出した答弁書で、昨年7月に米連邦最高裁判所が下した、いわゆる「トランプ判決」を引用した。「大統領が決断した統治行為は起訴や裁判の対象にはなり得ない」という点を強調するためだ。米連邦最高裁判所は、大統領在職中の「公的行為」は処罰対象にならないとの判決を下した。 その上で、尹大統領側は「尹大統領は適正な弾劾審判期日に出廷し、意見を表明する予定だ」と明らかにした。今月14日をはじめ、16日、21日、23日、来月4日など憲法裁判所が定めた5回の正式弁論期日のうち、1回は出廷して自ら発言するということだ。 パン・グクリョル記者、パク・カンヒョン記者