「コレステロールは下げなくていい」「豆乳より、牛乳」元気に長生きするための6つの真実【医学博士・柴田博×和田秀樹対談まとめ】
3.不妊治療に来る人の9割は、若い頃にダイエットをしていた人!?
和田 日本は高齢化率が上がっているのに健康常識はそのまま。この状況を変えなきゃいけないと僕は思っています。 柴田 本当にそうですね。 和田 高齢者だけじゃなく、若い人の意識も変える必要がある。僕の知り合いに「日本一の不妊治療の名医」と言われる人がいて、北九州の病院に全国から人が訪れる。その医師が「不妊治療に来る人の9割は若い頃にダイエットをしていた人だ」と言っています。 柴田 子宮が育たないんです。 和田 そうです。ダイエットは危険なんですよ。 柴田 痩せる必要がないのに痩せようとしている。 和田 先日も朝の情報番組で女性アスリートの生理の話をしていました。摂取カロリーより運動の消費量のほうが高くなると痩せてくる。そのうちに生理が来なくなるんですが「そうなったらアスリートとして一人前だ」と評価されていたらしい。そんなおかしな理論がまかり通っていたんですよ。
4.メタボ健診は自殺行為! 日本に本物の肥満なんてほとんどいない
和田 2009年に「太めのほうが長生きしている」というデータが表に出ました。ところが、その前の年にメタボ健診が義務付けられたんです。 柴田 そうでしたね。 和田 そのデータは2005年くらいには出てるはずです。 柴田 出てますよ。僕らも「老人ホーム」のデータはもっと早く出してますからね。 和田 データがあっても、結局、逆をやってる。 柴田 いつでもそうですね。 和田 さらに2024年はメタボ健診で女性の腹囲を90㎝から77㎝まで減らせと、めちゃくちゃ言い出した。さすがに厚労省もまだ受け入れていませんが。 柴田 国際的な肥満学会はもっと上の数字を言ってるんです。なのに、無視して勝手に“日本人用”と言って基準を作ってる。それでいつも揉めてるんですよ。
5.コレステロールが不足すると、認知症にも鬱病にもなりやすい
和田 健康情報は多いのですがそれが真実とは限らない。偏るのもよくないですね。「○○が体にいい」と言うとそればかり食べる。でもそんな単純ではありません。 柴田 栄養は食品全体から摂りますからね。 和田 僕は精神科なので、セロトニンは増やさないと鬱になりやすいという話をする。するとよく患者さんから「大豆がいいんですか、植物性がいいんですか」と質問される。植物性タンパク質は確かに体にいい。でもコレステロールが欠けているんです。コレステロールが高い人は鬱病になりにくいし、なったとしても治りやすい。 柴田 認知症もそうですね。 和田 つまりセロトニンを増やすだけじゃなくて、コレステロールも増やす。じゃないとセロトニンが脳まで運ばれない。 柴田 コレステロールは細胞膜を作りますからね。タンパク質とリン脂質とコレステロールで作られる。コレステロールが不足すると細胞膜が弱くなるから、がんにもやられるし、感染症にもやられてしまう。