「コレステロールは下げなくていい」「豆乳より、牛乳」元気に長生きするための6つの真実【医学博士・柴田博×和田秀樹対談まとめ】
『80歳の壁』著者・和田秀樹氏と医学博士・柴田博氏。日本人の生活を根本から変えてしまうかもしれない、実証研究に基づく“目から鱗”の対談をまとめてお届け! ※2024年6月掲載記事を再編。 【写真】柴田博×和田秀樹、対談の様子
1.「コレステロールは下げなくていい」。医学博士・柴田博×和田秀樹が斬り込む日本医学の闇
和田 柴田先生は今年87歳になられますが、未だ現役で“医学の闇”に斬りこまれていく。気力も頭の回転も若い頃と変わらない印象を受けます(笑)。 柴田 出会いは30年以上前ですが、以来、僕の本を推薦してくださったりして感謝してます。 和田 いえ、こちらこそです。僕の話は高齢者専門の浴風会病院での経験と、柴田先生の研究を基にすることが多いので。 柴田 浴風会はいい病院です。 和田 本当にそう思いますね。老人ホームが併設されているし、亡くなった方の約半数のご遺体を解剖する。柴田先生のような追跡調査もします。現実を見て実態に即した医療をしているんです。 柴田 実態を知るとさまざまな真実が見えてきますからね。 和田 例えば、高齢者の血圧は130と150の群では生存曲線は変わらない。でも180の群だと悪くなることが追跡調査でわかりました。だから160くらいまでなら問題ないって話になるんです。血糖値も高い群、低い群ともに、生存曲線はまったく変わらない。つまり下げる必要はないということ。ところが、日本では実態調査の研究が無視されてしまうんです。
2.日本はがん死亡率1位だから、40歳からはコレステロールを下げてはいけない
和田 コレステロール低下薬は出た当時すごい薬価が高かった。これに関しては諸説あります。ある製薬会社が全然効かない抗がん剤を出していて、それをやめさせる代わりに、この薬で儲けることを提案されたとか。 柴田 真相はわからないけど、不必要な薬を飲まされているのは確かです。アメリカは家族性高脂血症の人が多く、その人たちは心筋梗塞になりやすいので、コレステロール低下薬は効果を発揮します。でも日本はがんが死亡率の1位だからコレステロールを下げちゃいけないんです。それは40歳から80歳まで、どの年齢にも言えることです。 和田 日本は低栄養の国で、戦前・戦中は特に酷かった。本当は粗食を改善すべきなのに、未だに“痩せ信仰”です。コレステロールの害を宣伝されたことが大きく影響していますね。 柴田 恐ろしい事実があってね。終戦直後の1996年、日本人の摂取カロリーは1903キロでした。食糧がなくて国民が飢餓状態にあった時の数値です。ところが2010年には1849キロまで落ち込んだ。戦後より減ってるんですよ。