セールスフォース、AI新戦略発表へ-生成AIとの対話に2ドル課金
(ブルームバーグ): CRM(顧客管理)ソフトウエア最大手の米セールスフォースは、今週開かれている同社の年次会合「ドリームフォース」で、新たな人工知能(AI)戦略を発表する。
自社のAIツールが、人間の監督を必要とせずにタスクを処理できると指摘するとともに、ソフトウエア料金体系も変更する。
セールスフォースは、コンピューター向けアプリケーションをサブスクリプション(定額制)で利用できるようにする「サービスとしてのソフトウエア」時代の先駆者として知られる。だが生成AIが業界を揺るがす中、同社はAIに対応したビジネスモデルの見直しを進めている。
同社はカスタマーサービスや営業会議のスケジュール調整といった仕事を、人間の監督を伴わずにこなせる新しい生成AI「エージェント」を構築。このエージェントとの対話に2ドル(約280円)を課金する予定だ。
この新たな料金戦略は、AI普及が将来的に雇用喪失につながり、法人顧客で同社のサブスク利用が必要な従業員が減少した場合にセールスフォースを保護する狙いもある。
セールスフォースはAIが従業員の代替となり得ることにも目を向けている。エージェントを利用することで、企業は繁忙期に正社員や「ギグワーカー」を新たに採用せずに労働力を増強できるようになると、マーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は17日、ドリームフォースの基調講演で述べた。
2023年序盤からAIブームは続いているが、セールスフォースやワークデイ、サービスナウといったアプリケーションソフトメーカーは取り組みの成果をほとんど示せていない。AI関連の売上高や評価額増加は、主にエヌビディアなどのハードウエアメーカーやオラクルといったクラウドインフラメーカーで実現している。
原題:Salesforce to Charge $2 Per Conversation in New AI Strategy (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Brody Ford