モカシンとは? 今さら聞けない基礎知識とコーデの正解を徹底解説!
アメカジの定番アイテムとして人気のモカシンシューズ。ただ、“モカシン”の意味って意外と知らないもの。今回はその用語解説だけでなくモカシンシューズを使ったコーディネート、おすすめのアイテムなどをまとめてご紹介!
モカシンとは?
まずは「そもそもモカシンって何?」という話から。モカシンとは、もともとは北米の先住民たちが履いていた、1枚革で足を包むように作られたスリッポン状の靴のこと。アッパー部分をU字状に縫い合わせたものも作られ、それを「モカシン縫い」と呼んだことから、靴そのものを指すようになったようだ。なかには甲部分にフリンジやビーズなどで装飾した布をあしらったものもあり、当時の人々が独自のお洒落を楽しんでいたことが窺える。固い靴底(ソール)が付いたのは20世紀初頭くらいのようだ。現代では、甲部分をモカシン縫いで縫合したスリッポンタイプの革靴を総称してモカシンと呼ぶことが多い。
ローファーとの違い
モカシン型のスリッポンとして、真っ先に思い浮かぶのがローファー。ローファーは1926年のロンドンで、王室や上流階級の室内靴として初めて作られたという説が有力。また、ノルウェーの靴職人が地元の伝統的なモカシン靴を元に考案したという説もあり、1930年代のアメリカでは、この靴をベースにしたものが「ローファー」として発売された。ローファーとは“怠け者”という意味で、脱ぎ履きが楽チンなのがその由来。甲に“サドル”と呼ばれる飾りベルトが付いているのが大きな特徴で、その後様々に進化していった。
デッキシューズとの違い
また、似たような作りの靴にデッキシューズが挙げられるが、こちらは必ずしもモカシンである必要がなく、スニーカーでもデッキシューズと呼ばれることはある。つまり、滑りやすい船の甲板(デッキ)で作業するために、ソールに溝を入れるなどの工夫を施したものがデッキシューズ。1935年に〈スペリー トップサイダー〉が発売したラバーソールの革靴が元祖とされ、これがモカシン風だったことから両者が混同されやすくなったのだろう。創業者のポール・スペリーが、氷の上を走り回る愛犬を見て考案したというエピソードも面白い。