20・30代の今後のライフプランはどうするべきなのか? 2070年の人口ピラミッドから考えられる事象をFPが解説
「ライフプラン」はどのように生きるかを組み立てることで、お金を貯めることではない
ファイナンシャル・プランナー(FP)という仕事をしていると、主な相談内容としては、お金や家計に関する事柄がどうしても多くなります。しかし、実をいうと筆者としては、お金で解決できることは限られていると考えています。 当たり前のことですが、人は「環境」のなかで生きています。環境には、家庭環境や労働環境、地域社会における環境、もっと大きな「環境」のくくりとしては「国」があります。これらの環境に影響を受けながら私たちは生きていて、環境が変わると私たちの生き方も必然的に変化します。 お金はそれら環境のなかに存在する、単なるツールに過ぎません。このため、私たちの暮らしを取り巻く環境が大きく変わる過程では、お金の使い方も大きく変わっていくことになります。その使い方の変化を考えるのが、ファイナンシャル・プランニングといえるでしょう。
今後、ファイナンシャル・プランニングを考えるうえで重要なこととは
それでは、「今後、ファイナンシャル・プランニングを考えるうえで何が重要といえるのか」は、「人手が不足する問題に対し、どのように対策を打つか」と同じことであると、筆者は捉えています。端的にいうならば、お金があっても人手がなければほぼ意味がない、ということです。 例を挙げると、介護人材が不足するという問題です。高齢者数が増えると、介護を必要とする高齢者の数も増えることになります。今では慢性的な人手不足が指摘されており、将来的にも同様の状況が続くと予測されます。 「要介護者数が増える一方で、介護人材は不足し続ける」という関係性は、ワニの口のように広がっていきます。老後のためにお金を貯める、介護を想定して貯蓄するなどといった行為は、お金はあれど人はおらずという状況で、思ったほど効果を発揮しないと考えるのが妥当ではないでしょうか。 そこで、介護について見識を深め、もし自分に介護が必要になった場合、どのような支援体制を整えるか、自分に合った介護対策を事前に構築していきます。 介護は必ずしも徐々に向かってくるわけではなく、往々にして突然やってきます。これはある意味大病を患ったり、けがをしたりするのと似た状況です。突然介護が必要になっても、すぐに反応できる体制づくりが、今後の日本社会では重要になってくるでしょう。 「どこに相談しにいけばよいのか」「介護保険サービスの申請方法はどうすればよいのか」「介護施設にはどのような種類があるのか」など、挙げたら切りがありません。