【広島】酷暑対策は「短パン解禁」 鯉ナインが球団に〝ドレスコード緩和〟を申し入れ
酷暑問題は緩和されるのか…。マツダスタジアムを本拠地とする広島では連日契約更改交渉が行われ、主力ナインとフロント側が「広島の夏」について真剣な議論が交わされている。 【写真】試合前は短パン着用の巨人・阿部監督 今季は8月まで首位を走ったが、9月は5勝20敗と大失速。一気にBクラスまで転落した一因として「スタミナ切れ」が挙げられるが、その遠因にあるのが容赦ない暑さだ。広島育ちの新井貴浩監督(47)ですら「広島の夏は毎年、特に暑い」と悲鳴を上げていたが、今年は記録的な猛暑が続いた。 屋外球場のため強烈な日差しが突き刺さり、気温は35度近くの炎天下。熱中症警戒アラートが出ていても練習に打ち込まなければならないこともあった。そうした状況もあり、球団側も契約交渉の場で来季以降の「最善策」を模索しようと動いている模様だ。2日に更改した坂倉、3日には大瀬良など主力を中心に〝現場の声〟に耳を傾けている。 もちろん、選手側も試合日程や試合開始時間など他球団との調整が必要な案件については、来季からすぐに改善できないことは重々承知している。しかし「これだけは…」と球団サイドに要望している一つが練習時の〝ドレスコード〟の緩和だという。 カープでは早出を除く全体練習でユニホームのズボンをはく規律が存在する。上半身はTシャツが許されても、下半身はスライディング時などの故障防止を目的に、このしきたりを長年守ってきた。だが、さすがに近年の暑さはユニホームをはいていること自体が身の安全どころか、身の危険を感じるレベルに達しているのが「本音」だという。 すでにライバル球団でもヤクルトやDeNAなどに加え、今季からは巨人も夏場の練習時は「短パンスタイル」が認められるようになった。これにならい、広島でも選手会長の堂林を通じて正式に球団側に要望を出しているという。 天候はコントロールできなくても、暑すぎる広島の夏に適した身なりでコンディション維持を――。鯉ナインにとっての交渉の席は年俸を決めるだけでなく、真夏の〝快適さ〟を勝ち取る場にもなっている。
赤坂高志