しんどい更年期、師走はさらにしんどくなる説。経験者が教える、忙しい季節の心身ストレスを減らすコツ
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。 -------------- 更年期は、女性ホルモンの変動により、様々な心身に影響が現れる時期です。ホットフラッシュ、イライラ感、倦怠感など、日常生活に支障をきたすこともあります。師走は特に仕事や家庭の行事が重なり、それを考えるだけで気分が重くなる方も多くなります。そんな方に読んでいただければと思います。 〈漫画〉生理前はイライラが爆発・菓子パンに取り憑かれて…「ずっと閉経が待ち遠しかった」 ■12月にしんどさを感じる人が多いのはなぜ 今年は長期連休とも言われるため、12月の出勤日数は少なくなります。その分、短期間に1か月の課題を終えなければならない、という焦りが出てきます。 同時に休みに入ったからと言って自分の思い通りに時間が使えるわけではない、という方も多いと思います。 特にお子さんがおられる方、親御さんの実家に帰られる方、介護をしている方などは様々な調整が必要になり、日頃と生活サイクルが変わります。 事前準備や生活リズムの変化にストレスを感じる方が多くなります。 ■少しでも気持ちを楽にするために 12月だけとは限りませんが、私は1か月の予定を立てています。それも「最低限やるべきこと」を抑えたスケジュールです。 年末になると大掃除をしなければ、となりますが、最悪「ここだけできてたらいいよね」とか「まぁここは年明けからボチボチやるか」など「やらない」ことを決めていくのも計画を立てる醍醐味です。 他方「外せない」予定もあります。私の場合なら子供の学校懇談会や仕事の〆切提出などです。 でも「絶対」のものだけ挙げると、意外に「なんとかなりそう」と思います。 そして、その後「これはやった方がいいよね」といったことを肉付けしていきます。お正月の準備でもどこまで頑張ってやるかは自分の体調や気持ちの余裕次第。「頑張りすぎてお正月寝込むことになりました」といったことがないようにしていけばよいと思います。 ■見通しが立つと気持ちは楽になる 人の心が辛くなる時は、大抵多くのことを頭の中で考えてしまっていることです。例えば旅行に行けば、トランクの中身を一旦出して整理をすると「どこに何があるか」などわかりますし、なんとなく気持ちがすっきりします。 ところが、トランクの中身を出さずにそこから「ここにあれを入れたよね」とか思いながら出したりするとなんとなく荷物を出すことが億劫に感じてしまいます。 頭で抱えている情報を整理して、何を優先させるか、何をしないか、を決めていく事が大事です。特に忙しいとそういった整理をする時間を省こうとしてしまいますが、その30分の時間を使うことで12月の1か月がかなり楽に感じます。 とても簡単なことなので、是非やってみてください。 家計簿をつける人がうまくお金のやりくりをできるように、スケジュールを立てる人こそ時間のやりくりがうまくできるものです。 文/高本玲代 フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
高本玲代