「てりたまバーガー」「大人様ランチ」…繁盛店が投入する"季節感のない"期間限定メニューの本当の意図
■今しか食べられない「別の顔」を見てもらう 期間限定商品も、この2社ほどヒットすると、それを目的に来店するお客が生まれます。 すると、「今日のランチどこにしよう。牛丼じゃないな。松屋の限定商品、もう1回食べよう!」といったことが起こります。1つのお店に行く理由が2店舗分になり得るのです。 この2社のように短いスパンで入れ替える必要はありません。自分のペースでいいです。 期間限定商品は、あなたのお店の、今しか食べられない《別の顔》を見せるチャンスです。 その売上比率が伸びてくると、来店頻度は必ず高まります。あなたの頭の中にある、お店の定番以外の商品案を探してみてください。そこにきっとヒントがあります。 メリット④原価率を下げやすい(価格がわかりにくい) あなたがマクドナルドの月見バーガーが好きで、毎年買っていたとします。 昨年、一昨年の価格を覚えているでしょうか? そう、一定の期間をおいて販売されると、価格の記憶があいまいなのです。 しょっちゅう買う商品の価格は、よく覚えているお客も多いですが、たまに買うものは覚えていません。また、季節の食材を取り入れた商品であれば、季節限定の価値があるので、価格を気にしにくくなります。 そもそも、なぜ値上げをためらうかというと、「あれ、値上げしてない?」「また値上げしたわけ?」と思われるのが怖いのが大きな理由でしょう。その心配がないのですから、しっかり原価計算をして、がまんしない価格にしましょう。 メリット⑤勝ちパターンを作れる可能性がある 期間限定商品は、チャレンジの場です。メイン食材の調理方法や味付けについてじっくり考えることが多いでしょう。これは、コース料理も同じです。外しても数カ月です。今までになかった商品への思い切ったチャレンジを続けてください。 こうしてガヤガヤやっていると、たまに自分でも「あれ?」と思うようなヒット商品が出てきます。そうなったら、このヒット商品から派生した商品を考えるのです。ヒットしたのですから、一定の客層には受けることが証明されています。そのターゲットに刺さる商品を連続させるのが、勝ちパターンです。 先ほど、松屋とかつやの期間限定商品について、私なりの感想を書きました。そういう自分のお店の《カラー》が出せれば大成功ですが、そこまでいかなくて大丈夫。当たったら、そこからさらにイメージをふくらませて、次の商品を考える。これを続けましょう。