早慶で「サークルに青春を捧げた男」驚きの20年後 早稲田実業中退→大検→経産省の官僚、そして現在
高校を退学すると大検を受けて合格。大学受験の勉強もはじめた。世間の高校3年生が学校を卒業し、1浪して受験、合格するタイミングで、依田さんも19歳で慶応義塾大学に合格して大学生になった。ここでも早稲田時代の友達とイベサーを作り、100人規模まで拡大。精力的に活動し、一定の満足感を得た。そして元々の同級生が大学3年生になって就活をはじめるタイミングで、大学2年生だった依田さんもイベサーを引退した。 大学卒業後も変化は続く。依田さんは、早稲田大学法科大学院に入学するが途中で退学し、東京大学法科大学院に入学。25歳のときに見事司法試験に合格するものの、法曹の道には進まず、2014年に経産省に入省した。
経産省で働くことを希望したのは、日本の経済力の将来に不安や改善を感じていたこと、また、当時経産省がクールジャパンを推進していたことにも興味があったという。 しかし意気込んで入った経産省は1年程度で退職することに。なぜか。 「中小企業の金融支援を行う部署に所属しましたが、経産省で最も忙しい部署のひとつでした。朝8時半に職場に行って帰宅は終電かタクシー。昼休みは廊下で売っているお弁当を急いで買ってご飯を食べながら仕事をするんです。日中はまったく自由がなくて想像以上にハードでした。多忙といえば、イベサー時代もかなり多忙でしたよ。でも、自主的に動ける忙しさは大丈夫なんですが、経産省ではそうもいかなかったですし。
経産省の仕事は代えがたい仕事だと思いましたし、上司に退職の意志を伝えたときはとどまるように説得されて、心が揺らぎました。それでも精神的に限界に達していたし、今後のキャリアを考えて入省して1年で退職をしました」 希望して入った職場だったが、思い描いた経産省官僚の仕事はできなかったと遠くを見た。 ■イベサーを通じて学んだ大事なこと 経産省退職後は、弁護士として法律事務所に4年勤務。その後、友人と共に弁護士事務所を設立し、現在は弁護士事務所と投資ファンドの投資先の会社の役員および上場企業の社外役員として数カ所で働いている。