【Q&A】コロナ分科会が示した新しい「ステージ」指標とは?
Q:追加された「入院率」って何?
入院率は全療養者数における入院者数の割合を指します。感染拡大により療養者数が増加すると、入院できる人の割合が減ります。この数値が下がるほど医療がひっ迫していることを表すことから、今回新たな項目として追加されました。 「入院率」の基準は、ステージ3が「40%以下」、ステージ4は「25%以下」としています。
Q:なんで指標を変えたの?
分科会の尾身会長は「(感染者数が低く抑えられている)安定した状況からちょっと(感染が)立ち上がるという予兆を早く知りたい」「感染の早期探知、およびステージ判断のためのより的確な指標や評価方法がいままでの経験を通じて分かってきた」と説明しています。 今年1月に出た緊急事態宣言の際には「国・自治体・専門家の間で指標の活用・判断について共通の認識が必ずしも迅速に共有されないことがあり、(即座に効果的な策を打つ)“サーキットブレーカー”が機能しないこともあった」(尾身会長)との反省を踏まえたと言い、2~4週間後に一般医療とコロナ医療の両立が可能でなくなると判断された時点で「強い対策」を打てるよう指標を変更したと語っています。
Q:サーキットブレーカー発動は誰が決めるの?
尾身会長は「重点措置は都道府県が地域の実情把握に基づいて主体的にやる」「広域的な感染拡大という蓋然性(がいぜんせい)が高い場合には当然、国がリーダーシップを発揮していただきたい」と話しました。 では、分科会の役割は何でしょうか。 これまで、分科会は各都道府県のステージの分類に関して、評価・判断はしてきませんでした。しかし尾身会長は、今後は「我々が専門家集団として言うべきときには、分科会としても見解を表明して、国や自治体のより早い判断に資することが必要ではないか」と述べ、必要に応じて分科会として助言していくと語りました。
Q:新指標、いつから導入するの?
尾身会長は4月8日の会見で、政府や各自治体には「なるべく早く使っていただけると思っている」と言及。 実際、4月16日の西村康稔(やすとし)経済再生担当相と尾身会長による政府の記者会見では新指標に基づいた数値が使われました。