時に生死を分ける「レイヤリング」の基本を学ぼう(専門家が監修)
ミドルレイヤー
暖かい時期はシャツ、寒い時期にはフリースなど、さまざまなウェアを使い分けるミドルレイヤーは、レイヤリングにおける調整役。ベースレイヤーから汗を受け取り、素早く乾かす速乾性と、保温力、蒸れにくい通気性など求められる機能は多く、快適さを求めるなら、よりテクニカルなウェアが欠かせない。行動着と保温着を分けて用意するのも有効だ。 代表例:ロングシャツ、山シャツ、フリース、化繊orダウンインサレーション
シェル・アウターレイヤー
一番外側に着るウェアで、主な機能は雨を防ぐ防水性と風を遮る防風性。特に標高の高い場所では、雨に濡れて風に吹かれると一気に体温が奪われてしまうので、アウターは必須。また、もう一つ重要なのが透湿性。汗は水蒸気となって衣服内に溜まるため、ゴアテックスをはじめ、効率的に湿気を外に通してくれる高機能素材が使われているものが安心だ。 代表例:ハードシェルジャケット、レインウェア、ダウンジャケットなど
② 末端を守る小物もマスト
人間は寒さを感じると血液をカラダの中心部に集中させ、大切な器官を守ろうとする。そのため、手や頭といった末端は特に冷えやすい。冬場に外で行動するなら、ウール製のグローブや耳当ての付いた帽子など防寒アイテムも忘れずに用意しよう。雪山などでは手袋にもレイヤリングを用いると温かさと作業性を両立できる。
edit & text: Ryo Ishii(初出『Tarzan』No.870・2023年12月14日発売)