72歳・ひとり暮らし料理家の「食卓をラクに楽しむ」コツ。毎日同じものを食べたっていい
ひとり分の料理づくりは面倒…。そんなときは発想の転換を
もし、毎日の料理に悩まれていたら、真面目に頑張りすぎているのかもしれません。 手づくりすべき、栄養も考えるべき、とたくさん考えすぎて、結果自分への重荷となってしまっているのかも。この際、義務感はすっかり手放しちゃって、気分転換を図るような心持ちで台所に向かわれたらどうでしょう? 自分のためだけにつくる気力がわかないというお気持ち…よくわかります。 けれど、逆に言えば、それはつくった料理に対して文句を言う人は誰もいない、究極に気ままな食卓であるということ。 同じおかずを続けて出して、「いったい何日これを食べ続ければ気が済むの!?」なんて憎まれ口を言う家族もいなければ、家族それぞれの味の好みをあれこれ考えあぐねる必要も、まったくないのです。 私は、ミートソースや煮豆、それから餃子などもたっぷりとまとめてつくって、冷凍しています。鶏天も胸肉2枚分を一気に揚げてしまって、食べない分は冷蔵保存。おでんをつくった日には、「今週1週間は食べられるわね」なんてウキウキ喜んじゃうぐらいです。 そう、私のいつもの食卓は、そのときに調理したものでないことがほとんど。冷凍庫と冷蔵庫にストックしてあるいつかの自分の料理から、そのときの気分で食べたいものを温め直しているだけ、という日が圧倒的に多いのです。 だってその方が、らくちんだから。 そうやって、料理するときは多めにつくり→食べて→保存、というサイクルを続けていくと、ときに半端に残ったおかずが数種、冷蔵庫にスタンバイしている状態になることがあります。それらを1枚のお皿にとりどりに並べるのがまた、目にもにぎやかで、とても楽しい。 このおかず類を一度でつくろうとすると面倒で仕方ありませんが、私のワンプレートは一瞬ででき上がります。 毎日同じものを食べて、飽きることもあるんですよ。でも、それよりも、ラクさを優先したい、面倒くさがり屋。ひとりの食卓はとっても自由で気楽で、自分勝手。そのよさを丸ごと楽しめたら、もっと気軽に台所に向かうことができるのかもしれませんね。